映画「ジョニーは戦場に行った」。

思うところあって「ジョニーは戦場に行った」を観直した。

前に観たときのことは「怖い」くらいしか覚えてないが、
今回観ると、ほんまにすごい映画やなあ、と思った。

視覚、聴覚、嗅覚、味覚、両手、両足、声、すべてを奪われた状態。
なのに意識だけはある。
意識だけが牢獄に閉じ込められてる状態だ。
こんな地獄があるだろうか。

しかもこれは戦争での傷病。
明らかに人災である。
こうなっても、軍部は今後の参考になると
主人公ジョーを生かし続ける。
意識はない、という診断だったが、
意識があろうとなかろうと、
人を人と見ない国家犯罪とも言える行為やと思う。

極めてレアなケース、かもしれないが、
本人にしたら、それがすべてだ。
逃れる術のない現実だ。
こんな人間を人為的に作り出すのが戦争だ。
いかに高邁な理想や正義があろうと、
こういう人間を生み出す可能性を持ってる、
という意味では、どの戦争も同じだ。

主人公のジョーが戦争に行く前は、
「自分がそんなひどいことになるわけない」
「正義のために胸を張って戦争に行く」と
無邪気に思ってる若者だけに、
この姿がよけいにいたたまれない。

いつまでも語り継がなければいけない映画やと思った。

ちなみに題名と主人公名が違うのは、
アメリカ軍の「Johnny Get Your Gun(ジョニーよ、銃をとれ)」
という募集広告から、
原題の「Johnny Got His Gun(ジョニーは、銃をとった)」ができてるから。
「Johnny」とは“徴兵される若者“の定番フレーズの一種らしい。

もひとつちなみに、原作・脚本・監督は、
「ローマの休日」の原作・脚本でもある
ダルトン・トランボ。
あんまりにも違いすぎて、ビックリするなあ。

コメント欄、勉強になる話、
いろいろ聞かせていただきました。
(20230708記)

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