映画「洗骨」。

そう言えば、アップしてなかったけど、
先日、映画「洗骨」を観たのであった。

洗骨とは、沖縄の離島の一部に残る風習で、
亡くなった方を、そのままお墓に
入れておいて、数年後(映画では四年後)、
お墓から出して、綺麗に洗って、改めて葬る儀式のこと。
風葬の一種になるのかな?

沖縄には、日本の古い風習が残ってるので、
内地でも、火葬が一般化する前は、
同じような風習があったのかもしれんな。

映画の舞台は、粟国島。
ザクッと物語を説明すると、母が亡くなったのを契機に
三人三様に問題抱えた父と子ども二人(兄と妹)の
ギクシャクが表面化するのだが、
洗骨をキッカケに再生して行く、と言う家族の物語だ。
この3人、と言うより、亡くなった母や
もっと前の先祖も含めての家族の物語なんやろな。

キャスティングがとにかく良い。
全員が、ビシッとハマってる感じ。
情けない父役の奥田瑛二さんもええけど、
奥田さんの姉役の大島蓉子さんが、抜群の演技やった。
やっぱり沖縄の一族は実質、女がまとめてるんやろなあ、と思った。
鈴木Q太郎さんが、ほぼ唯一のナイチャー役やけど、
ええ味出して、笑いを散りばめてくれる。
古謝美佐子さんも、ちょい役で出てます。

監督の照屋年之さんは、ガレッジセールのゴリさんなんで、
重いテーマだけど、随所に笑いが仕掛けてあって、
陰鬱な雰囲気にはならない。
その辺がうまいんだけど、
ワシ個人としては、笑いにちょっと振りすぎやないかな、
と、少し食い足りない感じもした。
けど、脚本段階から良く練り上げられた、
じっくり楽しめる映画に、仕上がっていると思う。
見終わったあと、一種の爽快感とともに、
テーマが、ズシンと心に入ってくる。
そういう意味ではわかりやすい映画だ。

あまり知られてないかもしれんけど、
ゴリさんは、沖縄の民謡とお笑いの巨人、
照屋林助、通称てるりんさんの甥っ子、つまり、りんけんバンドの
りんけんさんのいとこのはず。
やっぱり芸能の血ってのは、すごいんかなあ。

古謝さんがカメオ出演してるのは、
テーマソングが「童び神」だから。
そして、映画全体の音楽の担当は
古謝さんの旦那さん、佐原一哉さん。
そんなにしゃしゃり出て来ないけど、
ええとこで、ええ音楽、鳴らせてくれはる!ええ仕事してはるわー。
で、佐原さんを手伝って、
ワシのお友達の石田雄一さんも「音楽録音&アシスト」で
クレジットされている。
石田さーん!ちゃんと上映で確認しましたよー!

話はそれるが、昔、与那国に行ったとき、
60度の「どなん」て酒は、飲む用ではなく、
洗骨のときに、残った肉や髪などのタンパク質を
溶かして流すための洗骨用だと聞いたことがある。
それを聞くまでにチャレンジで飲んでしもた酒、
全部吐き出したい気持ちになった。

粟国島は、知り合いがいてないので、まだ行ったことがない。
けど、「ナビィの恋」の舞台でもあるし、
いつか行きたいと思ってた島ではある。
そろそろ呼ばれてるのかな?

「洗骨」、少し引いてしまうタイトルですが、
そんな畏まらずに、楽しんで観られて、
テーマが優しく体に入ってくる映画でした。
沖縄好きな人も、そうでない人も
ぜひ、お出かけください。

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