鈴木常吉「ダーティーオールドタウン」をワシ訳してみた。
10時も過ぎりゃ真っ暗になる町、
小便くさい工場の壁
そんな道で初めてのキスをした
どぐされた俺の町、
生まれてから一歩も出たことのない
そういう町。
出て行こうとしたこともある。
舞いあがるホコリが春を教えて、何とかしろ、と語りかけたから。
とりあえず切符を買って夜汽車に乗った
ランプが何度も汽車を横切る、
うつ向いてばかりいてたのかな、
傷病兵の義足や薬売りのくたびれた革靴ばかりが頭に残っている
気が付いたら、俺はあの町に戻っていた。
そして、この町で、幼なじみと言や、聞こえはいいが、
他にいないだけか、あいつと一緒になる。
そこそこ料理もうまいし、具合も悪くない。
スープは絶品で、どこに出しても恥ずかしくない。
でも結局俺はこの町で死んで行くんだな。
そして俺のせがれもおんなじようなことを考えて、
一度は町を出て行こうとして、折れて、またこの町で生きていくんだろうな。
どぐされたこの町で。
ダーティオールドタウンという歌が大好きだ。
鈴木常吉の歌う、その歌が絶品だと思う。
自分がその歌をどう聞いてるのか、知りたくなって、訳してみた。
日本語を日本語に訳すってのも変な話だが。