映画「フランシスコの2人の息子」。
何の気なしに観始めた映画だったが、途中から夢中になってしまった。
結果、滂沱の涙。
観終わって考えると、山あり谷ありだが、スジとしては、非常にシンプルな成功譚なんやけど。
今や、国民的歌手らしいブラジルのカントリーミュージック
「セルタネージョ」の兄弟デュオ、ゼゼ・ヂ・カマルゴ&ルシアーノの
子供時代から成功に至るまでの実話を基にした物語だ。
話には聞くけど、ブラジルは貧富の差が激しく、
貧しい人が、そこから抜け出すには、
サッカーはじめとするスポーツか大衆音楽しかない、と言われてるらしい。
この主人公も、例に漏れず、日々の食事にも、ことかくほどの極貧で、
お父さんが、「そこから抜け出して欲しい」という気持ちと
生来の音楽好きで、息子に音楽を学ばせる。
ほら、これでもう物語の骨格がだいたい見えたでしょ?
しかし、このお父さんの無邪気なまでの愛情、
それに応えようとする息子たちの健気さ、
そっと見守りつつ、惜しみない愛を注ぐ母の優しさで、
飽きさせず、確実に涙まで持っていかれるのだ。
特にお父さんのダメ人間と言われても仕方ないアホさ加減が、
なんか、いじらしいとさえ思ってしまう。
最後のシーン、本物の親子が登場するとこは、もう反則に近い。
これで涙誘われないはずない!と思ってしまうくらい、
確実に泣けてしまう。
なんとなく沖縄の中江裕司監督の「恋しくて」の
最後のBEGIN登場シーンを思い出してしまった。
そのシーンもちょっと観られるトレーラーがこれ。
「2人の息子」と言いつつ、本当は3人の息子の物語なんだけど、
そのあたりは、観てのお楽しみ、ということで。