映画「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」。
「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」を観る。
ユダヤ人の多感な少年とコーランを信じるトルコ人のじいさんの話だ。
イスラエルとアラブの対立が問題になってる今、
観ておきたいと思ったわけだが、
やはり、そのあたりが体感できてないワシには、
ストーリーは薄く感じられた。
なにしろ「コーランは読むのではなく、知るものなのだ」という
トルコ人のじいさんなもんで、映画も背景の説明が一切無い。
しかし、なんとはなく、じいさんの他の宗教をも重んじてる様子、
コーランは、全てを含んで存在しているのだ、ということは、
伝わって来る。
それは、あの「アラビアのロレンス」の族長アリ、
オマー・シャリフの存在感に因るのだろう。
目線ひとつ、笑顔ひとつが、印象的で、
主人公の少年とともに、幸福感に満たされてゆく気がする。
途中からストーリーよりも、オマー・シャリフの慈愛に
浸っていればいいのだろう、と思いながら観た。
ひとつひとつの表情を含めた風景が、
観終わったあとに、頭に残っている。
本来、映画はストーリーより、そういうものの方が、
ずっと大事なんだと思った。