CD「スペシャルズ」。

   ※Facebookのバトンで回ってきたときに書いたものを加筆修正しました。

スペシャルズがデビューしたのが、
wikiによると、1979年なんで、ワシが高校のときか。
デビューしてすぐに聴いたわけではないが、
受験勉強しながら聴いていた。
出会いはたぶんラジオやな。
ガツン!と来たな。
それまでも、クラッシュとかピストルズとか
パンクは好きで、レゲエも知ってたはずなんだけど、
スペシャルズのリズム、そして自由さ、
そしてカッコ良さに、とことん参ってしまった。
なんとなく「これや!」と思ったことを覚えてる。

それ以来、パンクと何かのミクスチャーというのは、
ワシの中で、好きになる音楽のキーになった。
そういう意味では、スペシャルズは
ワシの音楽の聴き方の原点かもしれん。
分かりやすく言えば、パンク×アイリッシュがポーグスだし、
パンク×東欧ブラスバンドがエミール・クストリッツァ とかの超速馬鹿ブラス。
「何か」は音楽のスタイルには限らないかもしれない。
ワシの中では、パンクを通り抜けて、
表面上はフォークに聴こえるようになったのがオクノ修さんだし、
パンクな気持を心に秘めて、きれいなピアノの弾き語りを
しているのが、浜田真理子さんかもしれない。
その辺をワシが好きになる理由も、元を辿れば、
スペシャルズに行きつく、という気がするのだ。

ワシの大学時代にスペシャルズは解散したが、
分裂したスペシャルAKAや、ファンボーイ3、
2トーンレーベルのビートやマッドネス、
当時流行り出した、レンタルレコード屋で、借りまくった。
大学近くの「黎紅堂」(れいこうどう)には、
あまり置いてなかったので、
実家近く、枚方市駅の前、駅前デパートの中にあった、
ロフト(あのロフトとは無関係)というレンタルレコード屋に入り浸り、
こいつらのは、45回転12インチシングルに至るまで、
コンプリートしてたと思う。
まあ、レンタルなんで、手元にあるのは、カセットだけどね。
ちなみにこのレンタルレコード屋、喫茶店が併設されてて、
そこの干しブドウ入りピラフがうまかったのだが、
そこが、成長に成長を重ねて、今のTSUTAYAになったらしい。
ワシは、あの頃の方が、好きだったなあ。というのは懐古主義か。

10数年前には、福岡のサンセットライブに、
トロンボーンのリコ・ロドリゲスが来て、もうちびりそうになった。
「A Message to You Rudy」のあのフレーズが
聴こえて来たときには、泣きそうになった。

夏の終わり、汗まみれ。
つまり、体中の穴という穴から水分が出そうになってたわけやな。
失礼なことにリコはトリではなかったので、
ワシは「リコが終わったら、もう聴くべきもはない!」と
帰ってしまったのだが、
残ってた友だちから「トリのリトルテンポで、リコがまた出てきたよ!」
と知らされ、天神の町で、ヘナヘナになって座り込んだのだった。

そして、その数年後、今度は大阪、サマソニに
スペシャルズが再結成して出ると言う。
スペシャルズ好きな友だちの中には、
「ジェリー・ダマーズ抜きのスペシャルズなんて」と
いう奴もいたが、ワシは、
「ワシが行かんとテリーホールが寂しがるやん」と
テリーにしたら「わしゃ知らんがな」な理屈を捻りだし、
同じく、スペシャルズ馬鹿の納さんと、老体に鞭打って、
若者の祭典、サマソニに久しぶりに出かけた。
土砂降りの中、スペシャルズのライブが始まった。
できるだけ、前で観たいと、年甲斐もなく、
最前列付近にいたワシらは、始まった途端、意識が飛びかけた。
前の方は、スペシャルズを完全にクラブミュージックと
認識してる若者たちの塊。
当然、音楽が始まると踊り出す。
踊ると、体力を消費するので、必要酸素量が倍増する。
つまり、ワシらは酸欠になりかけたのだった。
辛くも、後ろに下がって、気を失わず聴いたスペシャルズ。
テリーは声も体型もぶっとくなってたが、
もうこのアルバムの曲をやってくれるだけで、
おじさんたちは、顔を見合わせて、泣きそうになってたのだった。
さて、終わって、帰る道。埋立地の土砂降りは、
ぬかるんで、歩くのも大変。
夏場なので、サンダルで来てしまったワシは、
もう気を使っても仕方ないので、
水溜りの中でもワシャワシャ進んで行く。
しかし、サマソニの会場はあまりに広大で、
いくら歩いても、バス乗り場につかない。
やっとこさ、辿り着いたときには、
二人ともヘトヘトで、
「帰りに梅田で飲もうか」と言ってたのに、
二人とも、何も語らないまま、
まっすぐ家に帰ったのであった。
足の爪の間に入り込んだ泥は、
それから2週間ほど、爪が伸びて、切れるようになるまで、
なんぼ洗っても、取れることはなかった。

その日を限りに、ワシはサマソニ引退宣言をした。
なんや、ワシの青春の初めから終わりまで、
お世話になったバンド、
それがスペシャルズなんかもしんない。

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