伊丹十三記念館。
10年ほど前に来て、気に入ったのにあまり時間なくて、
ゆっくりできなかった伊丹十三記念館。
今回はたっぷり堪能いたしました。
覚えていたのは、黒塗りの板壁と、静かな中庭だけ。
今回は、展示品も時間をかけてゆっくり見られた。
常設展では、伊丹十三さんの多才な面を、
名前に引っ掛けて、十三の側面から、掘り起こす。
展示方法もユニークで、イラスレーターのコーナーの展示では、
長い布に印刷された数々のイラストを手回しのローラーで
回しながら見たり(エスカレーターみたいになってる)、
料理好きのコーナーでは台所風タイルの展示版になってたり、
展示品が引き出し式になってたり。
十三のうちには「猫好き」の面もあったりして、
それが伊丹さんを語るに欠かせない要素なのが、
なんだかほっこりして嬉しい。
しかし、多才な人だ。ワシはエッセイが好きで、
映画もわりと見てたんだが、
CMも伊丹さんにしかできないような
ユニークなもんだったし、
料理に対する造詣も凄い(これはエッセイで知ってはいたが)
デザイナー時代のタイポグラフィーも、
実にいいタイポだった。
いろんな要素が重なり合って、
最後に映画に向かったのは、
遺伝も含めて必然だったのだろう。
見終わったあとは、
(ホントはこれがしたかった)
中庭のベンチに座って、
昼寝しそうなくらい、ぼーっとした。
今日の松山は快晴。
夏に戻ったかのような陽気。
ときどき鳥の声が聞こえてくるだけの
静かな中庭は、幸せ感の増幅装置だった。
また、来たいと思いながら、記念館を後にした。
おまけ。
帰り、路線バスを待つバス停の前、
ラブホかと思うような建物は、
伊丹さんもCMしてた松山銘菓、一六タルトのお店だった。