琉球チムドン楽団@キャンディライオン。
例外はもちろんあるだろうが、
今まで沖縄民謡をベースにポップスをやるバンドは、
ネーネーズか、りんけんバンドか、BEGINの類型からなかなか離れることが出来ず、
多くはその亜流に堕して来たような気がする。(あくまで個人の感想です。)
そのどれとも違う新しい沖縄民謡ベースのポップスを、
昨日、ライブでは初めて見た。
「琉球チムドン楽団」。
元々は練り歩きもやるようなので、
ヤマトーグチのチンドンと、
ウチナーグチの「ちむ(肝=心、気持)どんどん(ドキドキする様子)」を
掛け合わせた言葉なんだろう。
のっけから幻想的な曲で、一発でのされてしまった。
ギターは元ディアマンテスの人らしい。
エレキでもアコースティックでも自在に操り、全体を引っ張る。
ボーカルは沖縄の女性唄さーの歌唱法を押さえているが、
沖縄民謡にはない力強さも感じる。
ベースはファンクバンドのように、正確で熱い。
キーボードは、曲ごとに異なる背景をつけていくのだが、ときどき、
「あ、これドアーズっぼい!今の少しジョン・ロード」ってフレーズが覗くのが楽しい。
カッコよかったのは、ドラムと和太鼓のツインドラム。
和太鼓はゲストらしいが、こんなにドラムと合わせられる?と
驚くぐらい一体となった複雑で強固なリズム空間を作っていた。
そこに達者な三線が乗り、沖縄的な音に仕上げる。
しかし、もしかしたら、ここまでだと、
りんけんバンドとコンセプトも音も近いかもしれない。
このバンドを聴いたことのない音楽に仕上げているキーは、
サックスのこはもとさんだと思う。
ときにジャズっぽい、ときにAORなメロウな音を
「ここからいれるんだ!」という絶妙なタイミングで入れてくる。
そして、そのサックスはとってつけたものではなく、
全体としての音楽に馴染んで、
聴いたことのないオリジナルな音楽が生まれている。
スローな気だるさの中に悲しみが覗くような曲をやってるとき、
なんとなくオキナワン・サウダージという言葉が浮かんだ。
「早く次の曲!早く次の曲!」といつまでもエサをねだる犬のように
ヨダレ垂らしながら待ってる間にライブは終了した。
ギターとボーカルのなんかサイヤ人を思わす、
琉+和な装いも楽しかった。
ボーカルの方の天然入ったかいらしいトークも良かった。
ほんとにまっすぐ素直に沖縄のこと、先祖のこと、敬い、愛してるんだろなー。
奇しくも、昨日はまた沖縄で不幸な事件が明るみに出た日。
きちんと日米地位協定の話をされていたのも印象的だった。
またすごいエンターテイメント・バンドが沖縄から、現れた!