ドキュランドへようこそ「人種差別をなくす実験授業」。

ちょっと前のドキュメンタリー番組だが、
ドキュランドへようこそ『人種差別をなくす実験授業』」が
すごく面白かった。

イギリスの学校、11歳の子どもたちが、
無意識のうちにある差別意識を自覚していく授業を受ける番組。
みんな言葉では「肌の色は関係ない」というが、
一番最初の無意識の差別意識を炙り出すテストでは、
有色人種も含め、3/4くらいが白人に好意を持つという差が出て、
子どもたちはショックを受ける。

続いて、白人と、それ以外の人種に分かれての授業。
肌の色を無視するのではなく、まずは、その違いを見つめる。
自分のことをどう定義するか。
「赤毛のヨーロッパ人男子」「アフリカ系のカリブ人」
有色人種の教室は大盛り上がり。
いつもよりオープンに自由に思ったことを話し合う。
白人の部屋は、まるでお葬式のよう。
イギリスで暮らす有色人種の子供たちは、
普段から自分の肌の色を意識し、その意味を考えているので、
普段考えてたけど、口にしてはいけないように思ってたことを、
自由に発言できて、解放されてるのだろう。
白人は、普段それを意識したことがないので、
何を話したらいいのか、わからないのかもしれない。

そして、再び合流。
三週間、このスタイルで授業するようだ。
白人の子どもたちは混乱してる。
今まで、そういうアイデンティティについて考える体験がなかったからだろう。
有色人種の子どもたちは、学校の中ではなくても、多かれ少なかれ、
差別的な体験があり、
アイデンティティについて見つめた経験がある。

二日目の授業、白人の子どもからの意見は
「レイシスト」と見られることへの恐怖心が出てくる。
それぞれの教室で、それぞれの本音が溢れだす。
そして合流。
お互い、今まで聞けなかったことをぶつけ始める。
先生が誘導しなくても、自分たちで対話し始める。
子どもたちにとっては辛い作業だろうな。
けど、昨日とは違って、何かを乗り越えた感じがある。
ひとりの有色人種の子供が言った
「敬意を持って接して欲しい」という言葉に、
白人も有色人種も多くの子どもが頷く。
子どもたちは自分の言葉で、話し合うことを欲し始める。

次は意外にも徒競走。
ただしハンディキャップ付き。
スタート前、「出身地を聞かれたことがない」など、
先生の言う条件に適合する人は前に一歩。
逆に「同じ人種の人が周りにいなかった経験ある人」は後ろへ一歩。
そんな質問がいくつか続く。
最後の質問は「『差別に気をつけて』と親に言われたことがある人」。
もちろん後ろへ一歩。
世の中の人種による不平等を可視化する授業なのだな。

子どもたちの感想。
後ろに立ってる子どもたちは「イライラする」「ムカつく」。
先頭の子たちは「落ち着かない」「不公平」。
でも現実の社会ってこうなんかもしれない。
人種だけやなくて、いろんな条件で。
後ろからスタートしても飛び抜けた能力のある子は、
一番を取れるかもしれない。
だけど、みんながみんな、そんな能力持ってるわけではもちろんない。
「自己責任」という考え方が、いかに社会の現状に目を瞑ってるのかも、
この徒競走で見えてくる気がする。
で、スタート。
ゴールしても一番だった白人の子どもにも喜びはない。

最後の週、有色人種のグループの中から、
アジア系、アラブ系の子どもたちから疑問の声が出る。
イギリスで人種問題が語られるとき、被差別側は大抵黒人、
そこに違和感を感じる。
3つ目のグループができる。
そして合流。3っ目のグループの子どもの一人(アジア系)が、
「白人、黒人、その他」ではなく、
それぞれの人種の名前で呼んでほしいと発言。
子どもたちは、それぞれの本音を発言し、
他の人種の子どもたちの心の底で思ってることを理解する。

最後に初めにやったのと同じテストがある。
白人に肯定的というスタンスの子どもは、ほぼいなくなる。
子どもたちが口々に語る感想は、
自分の人種に誇りを持つこと、
そして対する人の人種に敬意を持って接すること。
この子どもたちの学んだことはすごいなあ。

差別の存在は社会の責任で、子どもたちの責任では全くないが、
その社会を変えるには、この子どもたちくらいの年齢で、
こういう授業を受けることがほんまに大事なんやなあ。
こういう授業を取り入れることこそ、
社会が、その責任を果たす、ということちゃうかな、と思った。

よく「同和教育があるから差別の存在を知った。
同和教育がなくなれば知らないから差別がなくなる。」
みたいなこと言われることがある。
ワシもいっとき、その理屈にぐらっときたけど、
やっぱりちゃうんやな。
同和教育なくても、心の中に、
何がしかの差別意識はあるかもしれない。
いや、ほとんどの人にあるだろう。
まずはその意識と向き合うこと。自覚すること。
そのための同和教育なんやろな。
まあこの「同和」という言葉もどうかと思うけど。
まったく一緒になる必要なんて、あるんやろか、とは思うけど。

できれば、こういう授業を日本でも取り入れてほしいもんです。

レポート遅くなってしまって、
NHKプラスでの無料視聴はできなくなってしまったみたいです。
すんません!
NHKオンデマンドでなら、6月18日まで、観られるみたいなんで、是非!
220円です。
その価値はあると思います。

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