さんかく「首都高速4号新宿線」。

昨日、西成に芝居を観に行った。
昔、良元優作さんや、いろんな人のライブで、よく一緒になった小野亮子さん。
今は、東京で芝居を頑張ってはるのだが、
久しぶりに、大阪で舞台をやるという。
実は、小野さんの芝居を今まで観たことがなかったのだが、
だからこそ、今回は観ておきたいと思い、
台風一過のええ天気の休日、
西成へと向かった。

ギリギリに会場に付く。
会場は、西成の廃ビル。
よくこんな場所、探したな。
受付の方に「8階です。」と教えられ、
慌てて、エレベーターに向かう。
なかなかエレベーターが来なかったが、
8階に着くと、ちょうど始まったばかりのようで、
男性が一人、寝そべったり、日常生活を送ってる風情。
しばらくすると、そこにもうひとりの男性が、、。
「あれ?確か二人芝居って聞いてたけど、亮子ちゃん、出てこないやん」
慌てて、パンフレットを見る。
今回は、この芝居だけでなく、
路地裏の舞台にようこそ」という大規模な演劇イベントで、
新今宮駅周辺のいろんなとこで、芝居をやってる。
街フェスの芝居版みたいな感じ。
パンフレットで見ると、亮子ちゃん芝居は、同じビルの4階だった。
芝居の途中で抜けるの、申し訳ないけど、いたし方ない。
そろ〜〜〜っと席を立ち、4階に向かう。

もちろん、もう始まってた。
10分くらい、遅刻してしまった。
今度は間違いなく亮子ちゃん。
調整卓には、音響を手伝ってるさわちゃんもいる。
安心。

知り合いらしき男女が、深夜バスの発着所のある新宿に向かって
歩いてるシーンのようだ。
女性が深夜バスで故郷に帰るらしい。
二人のとつとつとした会話に耳を澄ます。
何か、人と人との繋がり、そのことで得られる幸福感について語ってるようだ。
夢と希望と、挫折と孤独の間を揺れ動く心境、
次第に、引き込まれていく。

静かに会話で背景が語られ、心境が見えていくのだが、
突然、思ってもいない展開。
一瞬あっけに取られたが、しばらくして、ようやく、、。
そうか、これは、ワシもすごく気になってた、
幡ヶ谷のバス停での路上生活者殺人事件をモチーフにした物語だったのか。

それがわかると、今まで聴いてきた言葉のひとつひとつが、
さらに腑に落ちて来た。
あの事件のことを被害者の気持ちを想像して、
書いた脚本なんだろう。
ワシも、いろいろあの事件について書いてる記事を読んだのだが、
どうにも理解できなかったことが、
この芝居を観てるうちに、少し分かった気がした。
もちろん、この脚本を書いた方の、ひとつの想像ではあるのだが。

亡くなられた本人は、この事件の加害者のこと、
知るはずもないが、
ワシは、この事件、社会的な弱者が、さらに弱いものを、
打ちのめした事件に思えた。
まるでブルーハーツの歌のように。
そして、その最も弱い立場の人が、
家族にも、生活保護にも頼らず、
窮乏していくことが、
頭では理解できるものの、
実感としては、分かってなかったのだと思う。
それがこの芝居を観て、
少し近づけた気がしたのだった。

人は、繋がりを求める。
その繋がりが幸福感に近づくドリルでもあるからだろう。
だけど、だからこそ、その繋がりを恐れもする。
自分に幸せをもたらせてくれるかもしれない、繋がる相手に、
自分の弱い姿、不幸せな現状を、知られたくなかったり、
対等でありたいという気持ちがあったりするからなのかもしれない。

セイフティネットは経済支援だけでは、足りないのだな。
困窮してる人のプライドを大切にしながら、
助ける方法とは、どういうことなのだろう。

まだ気持ちがまとまっていないのだが、
まだこの芝居、今日明日やってるので、
この投稿見て、一人でも芝居観に行ってくれる人がいたらいいな、
と思い、急ぎアップする。

首都高速4号新宿線」、
今日は、19時からHOTELバクロ屋上で、
明日は、17時からHOTELバクロ屋上で開催です。

ええ芝居やから、もう一度観たいなあ、というのと、
最初のところ見逃したしなあ、という気持ちとで、
ワシも、もう一回観に行くかもです。


亮子ちゃん、さわちゃん、ありがとう!
まだ終わってないけど、お疲れさまです。

ご存じない方のために、元になった事件の記事動画をリンクしておきます。



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