【ドキュメンタリー映画シリーズⅠ】「人生フルーツ」。

先日、立てつづけにドキュメンタリー映画を三本観た。
どれも、すごく良くて、できるだけたくさんの人に観てほしい、
と思える映画だったので、
公開してる間に、レポートしますね。

まず一本目は「人生フルーツ」。
日本住宅公団のエースの建築家だった、
津端修一さんとその奥さん、英子さんのお話です。
高度成長期、日本住宅公団のエースだった修一さんは、
愛知県に雑木林の中に団地があるような自然との共生を目指した
ニュータウンを構想するんだけど、
時は効率優先社会、雑木林を残すくらいなら、
ひとつでも多く団地を、と理想とは大きく違った
ニュータウンが出来上がってしまう。
ならば、、とニュータウンの一部を買って、
そこに自ら雑木林を作り、実のなる植物を育てる。
40年後、修一さんは90歳、英子さん87歳、
フルーツや野菜で溢れる暮らしを英子さんと送っている。
そこに新たな依頼が来て。。。

というストーリー。

ワシには、とても送れる人生ではないけど、
日々を慈しむ生き方が、素敵で、憧れてしまいます。
主義主張で肩ひじ張って、ナチュラル派を名乗るのではなく、
ごく自然に、水が下に流れるように、
この暮らしを選んでいる。
二人とも消費には興味なく、
鍋や電話など、数十年使い込まれたものばかり。
その暮らしを、自ら建てた天井の高い、
ワンルームの平屋で過ごしている。
窓から見える庭の雑木林、
本当に豊かな暮らしというのは、
こういうことなのだろうなあ、と感ぜずにはおられない。

※注意!
ネタばれになってしまうので、
ここからは、読みたくない人は読まないでください。

映画の後半、修一さんの横顔をアップで撮ってるとき、
突然、音が止む。
修一さんが亡くなったのだ。
庭の草むしりをしていて、少し横になって、
そのまま目が覚めなかったという
ある意味、理想的な死。

そして、英子さんは、修一さんが生きていたときと同じように、
毎日を暮らしていく。
修一さんの好物で、自分は大の苦手のジャガイモをすりつぶし、
修一さんの晩ご飯を作る。
自分は違うものを作って食べる。

最後は修一さんが「最後の仕事」として、
楽しみに無料で設計を引き受けた、
伊万里の病院が完成したので、
そこを英子さんが訪れる。
その病院は、まるで二人が暮らす家を拡大したような作り。
建物の周りは、苗を植えて、ゆくゆくは雑木林に。。

生きるということ、死ぬということ、
その大切さ、おもしろさを言葉ではなく、
毎日の暮らしから、語りかけてくれるような映画でした。

形は違っても、ワシ的にアレンジした、
この二人に見習った生き方がしたいなあ、
と思いながら、この日も飲み屋に向かって行ったのでありました。

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