浜田真理子with池村真理野@梅田ロイヤルホース。

今年ひとつ目のクリスマスイベントは(ひとつで終わるかもしれんけど)、
浜田真理子さんwith池村真理野さん@ロイヤルホース。
去年は12月24日、同じお店で同じ組み合わせのクリスマスライブを観た。
それ以降、配信では観てたものの、生は初めて。
つまり、お二人ともワシには「あけましておめでとう」なライブだった。

せっかくなのでテーブル、見た目だけでもクリスマスっぽくしようと、
ノータンズ(胆嚢なき人)には、ややハードルの高いフライドチキン、頼んでみました。

ライブ始まると、一曲目から浄化されちゃいそうな声に包まれる。
下田逸郎さんの「早く抱いて」。

ああ、一曲目から真理子ワールドに、
そっと背中を押されて、どっぷり浸かってしまった気分。

岡林信康さんの「君に捧げるラブソング」は、リクエストが多くて、
真理子さんが今年一番歌ったかもしれない歌らしい。
やっぱりみんな真理子さんの歌に、お布団をかけるみたいに包まれたいのだろうなあ。
この歌は「人は人に、究極的には何もできない、でもせめて愛を持って接する」
という歌だと思うんだけど、
そのことを、真理子さんの声は、一音で感じさせてくれる。

このタイミングで、真っ黒の出立ちで真理野さん登場。

真理野さん、まずはソプラノサックス。
うわ!またまた進化しとる!まだまだ進化するのか??
もうあの年の表現力やない。
大ベテランの演奏聴いてるごたる!
特に小さな音の説得力がやばい。
一音で泣けそうになる。

「自由への賛歌」はインストで。
なんか目を瞑って聴いてると、ニューヨークのジャズクラブにでもいてるような気分になる。
行ったことないけど……

…うそ!
実は一度ニューヨークのSweet Basilで、デイブ・ブルーベックを観たことがあるのだ。
目を瞑って、その時に戻った気分になりながら、聴かせて頂いた。

おお!真理野さんも歌った!
二人のデュエットで高橋真梨子さんの「for You」を囁くように。
真理子さんがこの曲歌うの初めて聴くかな。
サビはハモリで。
めっちゃええんやけど、この曲をウットリ目を瞑って聴いてると、
なんかやばいおっさんに思われそうで、冷静な顔に努める。
けど、心の中ではバリバリ、ウットリしてるヤバいやつ。
そんだけ甘く溶けちゃいそうな演奏でした。

ファーストステージのラストにとんちピクルスさん!「夢の中で泣いた」。

真理子さんの三拍子の夢の中で泣いたは、
コトリコトリ…と、貨物列車をゆっくり進める。
何か歌全体が貨物列車の中で見た一瞬の夢であったかのよう。
だがそれはただの淡いファンタジーなんかじゃなく、
やっぱり傷ついて、心に哀しみを持つ人の夢なんだろう。
真理野さんのサックスソロが、その夢を覚ますようにブワッと響く。
歌に奥行きが足される。
雪のように、ゆっくりと心に積もり重なって行く一部だった。

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二部もまずはソロで。
この状況になってから唯一書いたという「風待ち」。
ああなるほど、この状況下で生まれた曲やなあ!と、
初めて聴いたけどすぐ思った。
けど、それを、いつの、どんな状況でも心に響く曲にしてるのが、
ソングライターとしての真理子さんの力だ。

真理野さんとは「知りたくないの」から。
まずは真理野さんのソプラノサックスをしっかり聴かせてくれた。
想像では「この曲だと少しねとつくかな?」と思ったのだけど、
真理子さんは想像以上にカラッと歌われた。
なんか相手を責めるような印象の曲が、
何もかもを知り尽くして諦観したような曲に変わった。
お見事!というしかない。

お!季節に合わせたクリスマスソングも練り効いてるなあ。「ブルークリスマス」。
さらに「裏町マリア」。

渋い選曲に、誰でも知ってるようなクリスマスソングのフレーズも
少しずつまぶす技ありクリスマスソング。
「裏町マリア」の2番からは、
同じ歌詞を真理野さんが「慈しみ深き」のメロディで歌う。
違うメロディなのに、ときどきピッタリシンクロして、ゾクゾクする。
真理野さんの高い声は、ほんま教会の聖歌隊のようで、
一筋縄ではいかん面白いクリスマスソング、聴いてしもた。聴けてしもた。
ちょっとびっくりしたので、2回ゆーてみました。

おお!友川カズキさんの「祭りの花を買いに行く」!
大好きな曲!
これもボーカルとコーラスの絡みが面白く、
真理野さんのソプラノサックスの響きも、
普通のホイッスルみたいにも聴こえて、ああそうか、
これは日本の祭りだけど、クリスマスという祭りにも繋がってるんだ、
この曲を日本風のクリスマスソングに仕上げはったんや、と思った。
やるなー!二人とも。
まあ、ワシの思い込みかもしれんけど。
真理子さんの解説によると
真理野さんは宮古民謡も入れてきたらしい(笑)
やっぱり、やるな〜。

最後の曲は「ロード」いや第何章とかではなくて。
寄り添って歩いていきましょう、という曲。
終わりにふさわしく、開けた感じで、明るく気持ちよく終わったけど、
もちろんそのままでは終わらせない。

アンコールは「オーバーザ レインボー」。
来年の希望に繋がる明るい歌で終了。

真理子さんとも休憩中、少しお話しできて「痩せたね〜〜」と言ってもらえた。
真理野さんにも楽しみな話が聞けた。
ええ気分で、ライブを思い出しながら、帰宅した。

と、しめたいところなのだが、
「オーバー・ザ・レインボー」が盛り上がってくるタイミングで、
ワシにだけかもしれないが、とんでもないことが起こってしまった。
店の人がワシの真横に、新しい男性客二人連れを案内して、
その二人が、わりと普通の声量でメニュー選びを始めてしまったのだ。
ライブということを知らずにホテルのラウンジか何かの
音楽演奏みたいなもんやと思ってるのかもしれない。
ワシの席は、他の人から通路をはさんだ端っこだったので、
他の人には、そう気にならなかったのかもしれないが、
ワシは、集中力を保つのに必死だった。

けど、お客に罪はないと思う。
店に入ったら、まずメニュー選びをする。当然だ。
ライブということを分かってなかったら、
声を絞らないのも、当然だろう。

せめて「ライブ終了まではお静かに」と注意すればよかろうもんなのに。
いや、その前に、やはりライブが終わるまでは、
ライブの事情を分かってない客は、入れてほしくないな。
ロイヤルホースと言えば、大阪のジャズの老舗、
「だからこれぐらいして当然」、
と納得してチャージを払ってる客に対する裏切りにも思える。
もちろんワシも、その客のひとりだ。

帰り道、ワシはそのことばかり考えながら帰ってしまった。
途中で寄ったスーパーでも、ストレス発散のためか、
いろいろ買い過ぎて、今、ワシの家の冷蔵庫はパンパンだ。

いや、そんなことはどうでもええ。
ワシが、帰り道で感じるはずだった、
この日のライブを聴いたからこそ感じられたはずの、
ええ気分は、永遠に失われてしまった。
そのことが口惜しくてならない。

「ライブはいつも、一期一会」。

【追記】
お店に勤める知り合いに伺ったところ、
あの二人もチャージを払ったお客さんだったようです。
予約してたのか、突然来たのかはわかりませんが、
アンコールの途中に来て、チャージを払うとは。。
だったら、少々マナーの悪い客、ってことなので、
時々見かけます。
ましてや、ジャズクラブなので、
そういう客もいるかもしれませんね。
一人で悶々としてた気持ちが、
少し気持ちが穏やかになりました。

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