ものすごい。映画「インフル病みのペトロフ家」怒涛のレポート⑦(最終回)。

さて、この映画である。
これを最後に観たわけではないのだが、
これのこと書いたら、他のことが書けなくなるかもしれないと思って、
最後にした。
それくらい観てから、ずっと頭の中にこびりついている。

インフル病みのペトロフ家」というタイトルからマニア受け狙いの、
B級映画だろうか、と思って観たのだが、とんでもない。
これは、もしかしたら、映画の歴史をひっくり返すような、
文学で言うと、ジェームス・ジョイスの「ユリシーズ」のような、
知名度は低いけど、最重要作品となる大傑作映画かもしれない、と思い始めてる。

曖昧な言い方が多いのは、一度観ただけでは、
とても理解しきれてないからなのだろう。

印象を単語で言うと、
詩的、暴力的、哲学的。
妄想、衝動、現実、空想、幻聴、幻視が入り乱れる。
現実と妄想はときどき入れ替わる。
今生きてる現実が現実で、夢は夢だと、誰が言い切れるだろう。
本当は、逆なのかもしれない。
もしかしたら、過去は未来の先にあるかもしれない。
ワシがワシである証拠なんて、どこにもない。
時間や、空間や、死後の世界とか、全然分かってない人間には、
そんなこと、言い切れる根拠なんて、なにもないんじゃないか。
この映画を観てたら、だんだんそんな風に思ってしまった。

話は逸れるが音楽が最高にかっこいい。
電子楽器は、ほぼ使ってない、土着的な音だけど、
それも人間臭くて、生命力に溢れてて、
シーンと共に、頭にこびりついている。
特に、ラストシーン、
たぶん民族楽器も混じったアコースティック楽器だけでのラップ、
もうたまらんくらい、かっこいい!最高!
終わってすぐパンフレットよりサントラがあるかどうか、
映画館の人に聞いてしまった。

絶対、もう一度は、観に行こう。
けど、理解しようなんて思わないほうがいいのかもしれない。
一度目と同じくらい驚けばいいのだ。

整理できない。整理しちゃいけない。
そんな気持ちにさせる、ものすごい映画でした。


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