怒涛の京都③映画「サウダーヂ」デジタルリマスター版。

最終目的地は、京都駅から近鉄でひと駅移動。
東寺駅近くの京都みなみ会館で、
2011年の映画「サウダーヂ」のデジタルリマスター版を鑑賞。

公開当時、鈴木常吉さんに「面白かったよ、観てみな」と言われて観に行って、
なんだかワケのわからんパワーに圧倒された映画である。

10年以上を経て、また観たわけだが、
やはり当時感じたエネルギーの塊みたいなものを感じる。

舞台は甲府。
場所の設定が絶妙やな。
大都市東京の匂いが少し漂ってくる街。
だけど、発展する東京とは違い、
どこか行き詰まり感の漂う街。
そこで生活するやり場のない人たちの分断。
世代間の分断、人種間の分断、都市と地方の分断、宗教の分断、貧困層の分断。
そこには、いろんな分断が転がっている。

この映画を観てると、肯定するわけではないけど、
分断された貧困層の人が、
人種など、自分とは違う層に、
より強くヘイトな感情を抱く気持ちが少しわかる気がした。

この映画の後に起こったアメリカでのトランプ氏の大統領選勝利も、
行き場のないヒルビリー層が、アメリカ至上主義、白人至上主義の
トランプ氏に雪崩れ込んだ結果なのかもしれない。

この感情は、個人ではどうしようもないものなのかもしれないなあ、
と映画を観ながら思う。
自分の生活が脅かされている、
自分の思った通りにならないことを、
誰かのせいにしてしまいたい。
そんな負の感情の吐口が一番安易に流れるところが、
こういうヘイト感情なのかもしれない。

これからの国家というのは、こういう分断をなくすことを、
第一の目的にしなくちゃいけないんじゃないかな。
そんなことを思いながら、11年前と今を比べると、
今が、あの頃より良くなってるとは、とても思えなかった。

分断を加速するようなパンデミックという世界的な状況を踏まえた上でも、
分断をなくす方向に向かってる国家というのは、
我が国も含めて、すごく少ないと思う。

まだまだ答えはわからんくて、モヤモヤしっぱなしだが、
大事なタイミングで、この映画を再び観ることができた気がする。

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