ムジカでトラッド・マッドサイエンティスト〜コロイドと津山篤×長野友美。

美しいと狂気は紙一重なんやろな、と思った金曜日の夜。
ムジカに向かう道で見えた病院と学校の組み合わせは、
それを予感させるような美しさと、ちょっと怖い感じだった。

これが、この日の対バン。
せいちゃん、ほんまえげつない組み合わせ、考えつくもんやなあ。

まずは、津山さんと長野さんの二人、やと思ってたら、
フィドルの藤原弘昭さんと、バウロン、バグパイプなど
マルチの原口豊明さんもいる四人組で出てきはった。

石造りの建物の中で聴いてるような音の広がり。
スコットランド、スエーデン、イングランド、、、ヨーロッパの民謡が続く。
どれも家族的な温もりを感じる。
それはつまり、どこかで懐かしさにも繋がっていて、
胸がキュンとする。
フィドルやバグパイプ入るとトラッド色が濃くなるんやな。

と思ってたら、津山さん作トラッドもどきの山本精一さんモチーフの曲って、
なんやそれ(笑)
この辺、やっぱり、ただのトラッドではないんよな。
まあ、津山さんが、真面目な顔で、トラッドやってるってだけでも、
「絶対何か企んでるはず!」って邪推しながら聴いてしまって
既になんか面白いんやけど。

二人でやったイタリア北部?のトラッド、
ア・カペラでめっちゃカッコよかった。
いつの間にか、日本語で蝶の名前の連呼になってたけど。
あくまで長野さんは、「全部イタリア語です。」と主張して張った。
「シジミチョウ」もイタリア語なんやろか(笑)

長野さんの通る声は、深い森に流れる、ひと筋の清水のようだ。
陰の濃い音楽やなあ、と思った。

最後はまた四人でちょっと激しい曲。
40年近く前、ダブリンから郊外に出た海辺のジョイスタワーで観た
荒々しい波と鉛のような曇り空が思い浮かんだ。
このバンド、もっともっと聴きたいなあ。

そして、後攻めはcolloid。
「森のうた」から、目の前に安定の楽園が広がる。

安友子さんのポリリズムなジャンベだけでも既に楽園やのに、
あのハーモニー!
頭の先からつま先まで包んでいくようだ。
そうか、コロイドだから、ゲルになって、
ワシを包んでいくのか。
と思いついて、なるほど!となった。
けど、このゲルは、包まれても息苦しくないぞ。
却っていつもより、深い息が、
肺の底まで、新鮮な空気を運ぶ。

知ってる曲だから、とか、新しい曲だから、とか、関係なく、
コロイドの音楽は、何度聴いても、新しい喜びに包まれる。
ドキドキしながらも、どこか懐かしく思ってる。

MCは、相変わらず、順調に迷子っす。
もうそれもひとつの楽しみになってるワシは、
間違いなくコロイド中毒。

お!万葉言葉だけで作った新曲やて!
言葉は全然わらんかったけど、
厳かな曲で、やはり新鮮な空気に満たされたのであった。
万葉集学者の息子としては失格ではあるな。
おとん!ごめん!!
ほんで、コロイド、
いつも、ありがとう!!

最後はやはり「夜の舟」。
なんでこんな何回も聴いたことある曲やのに、
こんなにドキドキするんやろう。
ほんまこの日も、
まだコロイド聴いたことない人に、
「ほら!早よ聴かんと損するで!」と言いたくなる
素晴らしいコロイドでございました。

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