橋本ヒネモスのBBBムービーvol.15「エンパイア・オブ・ライト」「逆転のトライアングル」「湯道」。

「エンパイア・オブ・ライト」。

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80年代頭のイギリス、ロンドンから2時間ほどの海辺の町、
マーゲイトの海岸通り沿いの映画館を舞台にした、
ちょっとファンタジックなラブストーリーでした。

まあ、ゆーたらそれだけのことなんやけど、
ちょっとお年を召した白人女性と若い黒人男性のラブストーリーってのが、
ヘイトの激しかったこの時代のイギリスで、物語をドラマチックにする。

何が嬉しかったって、スペシャルズがけっこう使われてて、
「Do nothing」が、一番ハッピーなシーンでがかかってたことかな。

と言うか、その辺の情報をどこかで知って、観に行ったんやったと思う。

イギリスって、こういう大人のハートウォーミングな映画、
ほんと上手いなあ。

場所が映画館なんで、その辺の映画との絡め方も上手いし、映像も美しい。
ちょっとストーリー的に雑なところも感じたけど、
ストレスなく楽しめる映画ではありました。

まあ、元々ラブストーリーがちょい苦手なので、
ジーンと来るようなことはなかったけど。

「逆転のトライアングル」。

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それぞれのシーンは、滑稽で、笑えたりら共感したりもするんだが、
全体的に見ると「何かの寓話なのか?」と思うほど、
行き当たりばったりで、取り留めないストーリーに思えた。

「ほんまにここで終わってええの?」と聞きたくなるエンディングに、
しばし唖然。
けど観終わったあと、何某かの爽快感は感じた。
何に感じたのか、正体はよくわからないんだが。

あえて言うなら、経済的な格差や、ルッキズム、人種差別など、
あらゆる差別の無意味さや、
資本主義の醜悪さ、原始共産制のある意味の正しさ、
そこにでも独裁は生まれるってこととかをゆーてるんかもしれん。
(あくまでワシの印象&推測やけど)

なんだかわからんけど、底知れぬパワーを感じる
怪作であることは、間違いないように思う。

「湯道」。

※ちょっと否定的な内容ありますが、
あくまでワシの感じたことなので、ご勘弁ください。

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これでもか!これでもか!という豪華な出演者、
金かけて、凝りに凝ったセット、
ロケ地もあちこち行ってそう。
とにかく、いろいろゴージャス。

その割には、雑な脚本に思えるのは、
豪華な出演者、それぞれ見せ場作ろうとして、
サイドストーリーが分厚くなって、
その分、本筋が貧弱になってしまってるからなのだろうか。
ほんま、いつかスピンオフ作るための下準備?て思うほど、
いろんなサイドストーリーが混じってくる。

セットも金かけて凝ってる割には、詰めが甘い印象あり。
下足室から、丸見えの脱衣所、
しかも営業中、その扉開けたままって、
どういうことや。
ストーリーを優先させて、外からも見える作りにしたのかもやけど、
だったとしたら、最低限のリアリティも守れないストーリーに
無理があるんちゃうかなあ。

出演者のキャラクターや、
ひとつひとつのエピソードはステレオタイプで、
全体は予定調和な感じ。

それとこれは個人的な好みなんけど、
ここ10年くらいの日本映画にありがちな
「ちょっと現実離れしたコミカルさ、その割には、それほどおもろない」
ってのが、どうにも苦手でございまして。

「こうやって作ったら、ヒット映画になるよ」って
マニュアルがあって、
「その通りに作ったエンターテイメント映画なんです」
言われたら、無茶苦茶、納得しそうな気がします。

ワシ的には、銭湯への愛も、
銭湯を愛する人たちへの愛も、
あまり感じない映画ではありました。

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