橋本ヒネモスのBBBムービーvol.20「零落(れいらく)」「コンペティション」「彼岸のふたり」。

「零落(れいらく)」。

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浅野いにおさん原作で竹中直人さん監督ってだけで、
もう観たくなった映画。

暗い映画だと思う。辛い映画だと思う。
だけど、惹きつけられる。

描きたいものと売れるものとの違い。
読者に合わせるのか、自分の中に答えを見つけるのか。
売れるから近くにいるだけのように思える編集者たち。
彼らはもちろん、パートナーからも理解されてる手応えのない世界。
いろんなものの狭間で、描けなくなる苦しみ。

純粋な創作行為って、ある意味エゴでしかないのかもしれない。
ワシとは、全然違うキャラの主人公やけど、
けっこう共感する映画だった。

野毛の大好きな川沿いの婉曲雑居ビルが出てたり、
はなれぐみの永積崇さん、しりあがり寿さん、ワタナベイビーさんなどが
出演されてるのも、ワシにはツボでした。

「コンペティション」。

公式サイト

ひねくれた人が書いたんやろな。
何層にも絡み合った、よく練られた小洒落た脚本の映画やった。
劇中劇と映画のストーリーの相似具合も面白い。
ビジュアルはヨーロッパっぽい奥行きのあるスタイリッシュな映像。

主演男優二人と、女性監督との馬鹿し合い。
その子どもっぽさも含め、全体的にむっちゃ大人な映画。
基本的には大人のコメディとして観るべきかな。
ほんまに、よーできたエンターテイメント映画やと思います。

けっこう盛ってるんやろうし、全くの創作かもしれんけど、
準備段階からの映画作りの裏側が観える感じもおもろかった。

「彼岸のふたり」。

※多少、否定的な内容を含みます。
この映画をお好きな方はスルーしてください。

関連サイト

う〜〜む、すみません。
ワシにはちょっと辛い映画でした。
ワシの理解力がないのか、状況も心境も、
何がどう変わったのか、何がどう変わらなかったのか、
わからんまま、終わってしまいました。

観る人の想像に、その後の展開をゆだねるのも、
ひとつの方法としてあるとは思うんだけど、
そこに何か作者の意図みたいなものがあって、
「俺はそうは思わない」「私はこう思う」
というのが引き出されるのではないかなあ。

この映画の制作意図は一度観ただけではわからないのかもしれないが、
ワシには、無色透明でベクトルがないように思えた。
ストーリー全体が「こういうこともあるかもね」という
想像のできごとの単なる提示のように思えて、
なんの感想も抱けないまま終わってしまったのだと思う。

もう一度観ると、違う気持ちになるのかもしれないが、
その気力は、今のところ湧いてきそうにない。

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