橋本ヒネモスのBBBムービーvol.35「グレート・グリーン・ウォール」「ハマのドン」「Winny」「もういちど生まれる・還る」。
「グレート・グリーン・ウォール」。
温暖化→気候変動→砂漠化→貧困層の拡大→戦争、
と考えると、この問題は、もちろんアフリカだけの問題ではありえない。
先進国と言われる国の地球への借金のツケを、
この地域の国々が払ってるように思えてくる。
間違いなく、国を超えて、体制を超えて、全人類で取り組むべき問題なのだろう。
なのに、国同士はいまだに利害関係で繋がれず、
社会主義体制の国は、独裁色を増してるように思えるし、
資本主義体制の国も、一部では自国利益だけを求める傾向が強まって来てる気がする。
そんな時代に、音楽を武器に立ち上がる民間人の強さ、
その影響力の大きさを見ると、
「国なんて、ほんまに必要なんやろか」という気持ちがどうしてもしてしまう。
最初は「なんやアメリカのチャートに出て来そうなありがちなポップソングやな」思ってたけど、
聴いてるうちに、どんどんアフリカらしい音楽になって来てる気がした。
ワシの聴き方が変わって来たのか、
彼女の音楽が変わって行ったのかは、わからない。
「ハマのドン」。
たぶん、ガチガチの保守、自民党支持のハマのドン、
菅元総理の支持母体だったような人、藤木幸夫さんが、
カジノの本質をきちんと見つめ、横浜市民のため、
カジノ阻止に動き、それを成功させる。
この人は、自民党支持の時代にも、自分の権益ではなく、
本気で、自民党を支持することが、市民のためになる、と思ってたのだろう。
つまり「主権が、市民にある」「なにが市民のためになるか」ということを考え抜き、
子孫に恥ずかしくない今を生きようとしているのだろう。
そのことを第一優先にすれば、
今まで支持して来た政党の敵になることなど、
痛くも痒くもない。
痛快な映画だった。
あ〜あ、大阪にもこんな人、出てこないかなあ。
今、大阪をリードしてる人が、
この映画観て、考え、改めてくれないかなあ。
きっと「しめしめ、横浜降りたから、大阪にカジノできる確率高まった」
思ってるんやろうけど。
「Winny」。
当時、もう一つピンと来てなかった事件ではあるが、
「なるほど、こういうことやったのか」とめちゃくちゃ勉強になる映画やった。
たぶん、賞賛されて当たり前の天才技術者なんやろなあ。
なのに、この人を犯罪者にしてしまったのは、
日本という国の、先端技術に対する理解の不十分さゆえなのだろう。
もし、この人を犯罪者にせず、賞賛してたら、
もっと、この人は活躍しただろうし、
これに続く人も、どんどん生まれてきてて、
先端技術に対する日本のポジション、
もっと有利になってたんやろうなあ、
というのは、先端技術、わからんなりに思った。
けど、東出昌大 さん、こういう無垢の天才みたいな人、演じさせたらハマるなあ。
「天上の花」の三好達治さん役に通じる無垢さを感じた。
吉岡秀隆 さんの、筋を通す感じもさすがですわ。
「もう一度生まれる・還る」。
う〜〜む、コロナの影響で廃業に追い込まれたスーパー銭湯を舞台にした、
余韻ありまくりのファンタジーってとこかな。
短編映画「もう一度生まれる」。
正直、この映画を作ろうと思った原動力がよくわからなかった。
銭湯の気持ち良さや、優しさは感じられて、
なんか、良さげな気もするのだが、
「良い」と断言できる気持ちにまでは踏み切れない。
それをとりあえず、「余韻」と言ってみたが、
それで正しいのかどうか、自信はない。
まあ、スーパー銭湯に対する「愛」は感じられるか。
この映画の元になったという短編ドキュメンタリー「還る」の方が、
ワシ的には、わかりやすくて、ええ映画やな、と思えた。