橋本ヒネモスのBBBムービーvol.36「ナイトクラビング:マクシズ・カンザス・シティ」「Yokosuka1953」「バククシー 抗うものたちのアート革命」。

「ナイトクラビング:マクシズ・カンザス・シティ」。

公式サイト

CBGBは知ってたけど、ここ、マクシズは
「名前聞いたことあるかな〜」くらいの認識やった。
いやあ、すごいところがあったもんや。

ウォーホールたちファクトリーの奴らの溜まり場で、
もちろん、ヴェルヴェットアンダーグラウンドのメンバーも入り浸ってて、
イギーポップがステージで裸で転げ回って血だらけになり、
デビッド・ボウイとザッパが相席して、
ジョニー・サンダースが注射器ぶら下げながら
「出番まだか?」と楽屋から顔を出す。
オーナーは1ドル札漂白して、100ドル札を偽造する。

ほんまにパンクの生地であり、聖地やったんやな。

70年代に、20代〜30代ニューヨークで過ごしてたら、
入り浸ってたやろな。
いや、怖すぎて、よう行かんか。

シド・ヴィシャスが上半身裸で歌ってるシーンで、
字幕が「けど、そんなの関係ない」て出てた。
小島よしお、もしかしたら、ネタ元、シド・ヴィシャス?

「Yokosuka 1953」。

公式サイト

知らないことだらけだった。
戦後の状況、想像したら、十分あり得る話だとは思うんだけど、
想像のスタートラインにすら、立ったことのない話だった。
この映画の話が始まるきっかけも感動的なんやけど、
主人公の女性が送った人生が、それ以上にドラマチックで、
66年ぶりに来日してからも、知らずと涙が出てくるシーンの連続だった。
よくぞ、この主人公が元気なうちに、
そして、当時を知ってる人が、まだご存命のうちに、
この映画を撮ってくれた、と思った。

狂言回しであり監督である木川さんは、大学の研究者であるらしい。
ストーリーとしては感動的で素晴らしかったけど、
学術研究としてもドキュメンタリー映画としても、
ツッコミが少し、ぬるいような気がした。
もう少し明らかにしてほしいことや、
掘り下げてほしいことがあったなあ。
細かいことで言えば、異父兄弟がいなかったのか、とか。
いなかったか、いても名乗り出たくなかったのかもしれんが。

戦争は、終わってからも、悲しみを産み出すのだ、
それは、勝っても負けても、同じことなのだ、
ということを、為政者は肝に銘じておいてほしいと思う。

「バンクシー 抗うものたちのアート革命」。

公式サイト

バンクシー個人の映画ではなく、
グラフィティなどを含めた現代のアート状況の全般を知れる映画でもあり、
ヒップホップ文化の一端としてのグラフィティのことも、
教えてもらえる映画やと思った。

「バンクシーが誰か」みたいな話は、よく話題になるが、
それを話題にすること自体、バンクシーのアートに対する考え方から、
ずれてるような気がした。
ワシ自身、バンクシーって、話題性のため、正体を表さないんやろうな、
と、思ってたんやけど、この映画観たら、
そうやないんやな、と思えて来た。

そう思うと、バンクシーは芸術を美術館から、町に出して、
アートを、高額所得者だけでなく、すべての人に解放しようとした
(とワシが思ってる)ウォーホールの、正当な後継者かもしれん、と思った。

作品が、鑑賞するものではなく、
投資目的になってることに、クエスチョン投げてたのに、
そんな自分までが投資の対象になってしまう矛盾をバンクシーは抱えてるんやろうな。
そう思うと、有名なサザビーズのシュレッダー事件、
無価値になるくらい最後まで、バラバラに裁断して欲しかったんやろなー。
実際は途中で止められて、今や、その時の落札価格の倍の価格がついてるらしい。
バンクシーにしたら、「なんやそれ!」って腹立つ話なんやろうな。
いや、腹立ててほしい。「シメシメ」って思ってて欲しくない。

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