ワシ的には、No.1是枝作品かも。BBBムービー「怪物」。

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期待し過ぎのワシが悪いんやけど、
最近の是枝作品、ちょい残念になること多いので、
できるだけ、何も考えずに観た。

いい!
「万引き家族」より、「ベイビー・ブローカー」より、
ワシは断然、こっちやな。

ほんと子どもの演技が素晴らしかった。
少しの表情から、何を考えているのか、
どんな気持ちなのかが伝わってきた。
そして、それは、ワシ自身、50年くらい前に
抱いた感情と通じていたりした。

みんなことさら悪意があるわけではないのに、
少しずつずれてずれて、恣意的な決めつけで、
幸せでない方向に積み重なって行っちゃって、
なんでこんなことになっちゃったんやろう、
何をどうしたら解けるんやろう、
ってくらい、こんがらがっていってしまう。

最初、「怪物」と思えた人も、少々問題あるけど、
それなりに真摯に生きてたり、
その人を「怪物」と思ってた人にも、
怪物的な要素があるのが見えてきたり、
見せ方がすごく上手い。

※ここからネタバレ、というかワシの個人的見解?妄想に入って行きます。
ご了承ください。

とは言うものの、なんで、この映画のタイトルを、
その「怪物」にしてしまったのかな?てことが、
観終わった後、少し疑問だった。
ほんまに完全に「怪物」と決めつけられるような人は、一人もいなく、
みんなそれぞれ精一杯生きてるのに。
ちょっと扇情的にするためのタイトルなのか?

しばらく考えてて、間違ってるかもしれんけど、
ああそうか!あのゲームか!と思いいたった。
人は、自分が何者か、分からずに生きている。
あのゲームは、その何者かわからない状態を「怪物」と言ってた。
そして、人の言葉で自分が何者か理解して、
怪物ではなくなって行った。
そう考えると登場人物はみな初めは「怪物」として
画面に登場したのかもしれない。

だから、少なくとも、ある面において「自分が何者か」
が、分かった子どもが、
最後に、あの歓喜の表情で、声を上げながら、
二人で野山を駆け回る。
彼らは、怪物ではなく、人間だったのだ。
と言うか、あの瞬間、怪物から、人間になったのかもしれない。

間違ってるかもしれないけど、
そう考えると気持ちいいので、
ワシ的には、そういうことにしておこう。

この映画は、坂本龍一さんの遺作にもなった。
坂本さんのピアノは、何か理論や体系を超えて、新鮮だった。
やはり、どこか坂本龍一さんらしくはあるのだが、
晩年のピカソが「やっと子どものように描けるようになった」
と言ったことを思い出すような、今までにない新鮮な面のあるピアノだった。

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