入院日記2018/9/26。
5:21
9月26日午前5時、ということは、もう十六夜に近いのかもしれない。
ベッドから見上げると完璧な月が出ていた。
お茶を飲んだりトイレに行ったりして5分後見上げると、
既にビルの陰に隠れていた。
一瞬だけ見えたこの病院の満月を、ワシは一生忘れない、そんな気がする。
5:57
朝焼けの大阪城。
初めて行ったのはたぶん小学校の遠足。
歴史オタクだった少年は鉄筋コンクリート、エレベーター付の城に、
かなり幻滅して、あまりなんとも思わず、
城といえば、彦根や犬山、熊本が好きだったりした。
30数年経って、大阪城の近くに住むようになってからも、
城を取り巻く公園をいい散歩コースと思うことはあっても、
天守閣へは相変わらず興味を持つことはなかった。
そして、今年、病院こそ違え、二度とも大阪城の天守閣を正面に臨む病院に入院し、
日がな一日天守閣を見て過ごし、
眠れぬ夜を慰めてもらい、
お見舞いの方には自分の持ち物のように紹介し、
大阪城天守閣は、ワシにとって、特別なものになった。
他の城と比べてどっちがいい、悪い、とかではない、
どっちが好き、嫌いでもない。
比べようもない特別な存在。
朝焼けの大阪城は美しい。
南側の堀からは靄が出ているのか?いつまでも見飽きない。
8:51
本日は、朝から血液検査。
結果を知らせに来た先生が、苦笑しながら言う。
「普通、手術後下がるんですけど、橋本さん、上がってるんですよね、腎機能。」
腎機能向上に、腎臓癌(^_^;)順調です。
14:52
映画「恋しくて」をDVDで鑑賞。
16:32
「こんなときしか観んやろなあ」と、
映画「恋しくて」(洋画じゃなくて、石垣島舞台の方)のコメンタリー観てた。
中江裕司監督とBEGINの3人の「恋しくて」の映画、観ながらの会話。
めっちゃおもろかった。
「なるほどなー」思たんは、「高校3年生になると漂う、微妙な空気」。
石垣島では、ほぼ全員、高校卒業後、島を出る。
BEGINの高校の同級生では、郵便局員になった一人以外、全員島を出たそう。
でも、「どこに行くのか?」とか「何をするのか」とか、
聞いちゃいけないムードがどこからともなく漂うらしい。
ワシにしても、高校卒業して以来、一度も会ってない人も多い。
ましてや石垣島。
今生の別れになるかもしれない別れをこの歳で体験するんやなあ。
19:20
水田十夢くんが、見舞いに来てくれた。
見舞いフェチらしい(笑)