「Parallel Lives 平行人生 — 新宮 晋+レンゾ・ピアノ展」@中之島美術館。

なんか展覧会というより、心地よい空間で、ええ時間を過ごさせていただいた、
というリゾートに行ったような気分だった。

関空はじめ、いろんなとこで、共作してる、
建築家のレンゾ・ピアノさんと、造形作家の新宮晋さんの展覧会、
Parallel Lives 平行人生 — 新宮 晋+レンゾ・ピアノ展

入口の二人の言葉からも、
人生で、これほどシンクロする人間と巡り会えて、
一緒にものを創ることのできる幸せが伝わる。

建築の展覧会って、現物がないので、
なかなか凄さを実感できないくて、
少しモヤっとすることもあるのだが、
今回は、新宮さんの作品が、
ゆっくり動く空気を感じさせてくれるので、
心が静まっていくのが、自分でも分かる。
その中で観るレンゾ・ピアノさんの模型やスケッチは、
ほんまに、それ自体が、ひとつの作品であるように感じられた。

静かな部屋の大きなスクリーンで観る二人の対談。
日本とイタリア、それぞれに長い歴史を持つ国で、
全然違う環境で育った同い年のふたりの、
人生や価値観が交差して、並んで歩いていく様子が
ジワ〜〜っと伝わってきて、
嬉しくなるやら、羨ましくなるやら。
レンゾ・ピアノさんが思った以上に饒舌だったのが意外だった。
作品から、なんとなく寡黙な人を想像していたのだった。

二人の対談を観てから、もう一度、展示を観ると、
なんか、さらに時間の流れがゆったりしたものに感じられた。
「間」という言葉で括られる、空間と時間には、密接な関係があって、
空間によって、時間の流れは変えられるもんなんやなあ、
と、いう考えが、
空から降ってくるように思い浮かんだ。

中には、二人の著作を読めるコーナーもあった。
この展覧会、大学かどこかで常設にすべきちゃうかな、と思った。
こういう著作を自由に読める空間、
ふたりの作品や考えに触れる時間、
それは、これから建築や造形を志す人たちに、
技術以上の、大切な何かを、
語るのではなく、空気で教えてくれるような気がした。

レンゾ・ピアノさんの作品年表を観てて思い出した。
そうか、ワシ、学生時代にヨーロッパ行った時、
パリで、ポンピドー・センター観て、度肝抜かれたのであった。

それまでも、建築は好きで、日本の神社仏閣や、
ヨーロッパの教会など、古い建物を観て歩いてたのだが、
ポンピドー・センター以来、新しい建物にも目を向けるようになったのだった。
レンゾ・ピアノさん、ワシの恩人だったのだ。
ありがとうございます!
この説明の、ピアノさんがポンピドー・センターの建築家だと言った途端、
老婦人に傘で殴られそうになった、というエピソードが、
なんかすごく気に入った。
それは、今までのパリになかったものを創ったという
何よりもの証拠なのだろう。

展覧会の最後は、二人の現在を語る素敵な言葉で締めくくられていた。

山ほどあるのに、どうしても欲しくなって、
そんなに安くない展覧会Tシャツ買ってしまったのは、
今思うと、そうとう気持ちが昂っていたんやろな。
心穏やかに、平熱のまま、昂る。
一番ええ、心の状態のような気がする。

展覧会は、9月14日まで。
今から行かれる方、二人の対談、全部観て欲しいので、
多分20分くらいだったと思うけど、
その時間、計算に入れておいてください!

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA