ひとつ、心に残ったセリフがありました。BBBムービー「かかってこいよ世界」。
※ややネタバレと、否定的な内容を含みます。
うむむむむ。
設定も、ストーリーの流れも、ひとつひとつのセリフも、
荒くたいところが多かった気がする。
いろんなことを勢いで行っちゃった感のある映画だった。
何度か頭で「え?どういう設定?」とか考えてるうちに、
次のシーンに移ってて、
「あ、今、それ考えてたらわからんようになるから、あとで考えよう」
思ってたら、考え直す暇なく、
最後まで行っちゃった感じの映画だった。
いろいろ積み残しもある気がするが、
まあ、それはええことにしておこう。
観終わって、ちょっと疲れて、次の予定キャンセルしてしまってたくらい、
ワシ的には困ったところのある映画だったが、
ひとつだけ、すごく心に残ったセリフがあった。
男の子が、在日韓国人であることを女の子に告げた後、
女の子の態度が変わった時に言ったセリフ。
「なんか僕が別の人になっちゃったみたい」
(正確ではないかもしれないけど、こんな感じのセリフ)
そうそう。
すべてのカミングアウトで、怖いのは、これなのであろう。
カミングアウトしようとしまいと、
自分は何も変わらない。
なのに、人の見る目が変わってしまう。
その結果、自分が変わっちゃったような気がして、
足元が覚束なくなる。
言ってみれば、アイデンティティが揺らぐ。
人種のこと、病気のこと、性的嗜好のこと、
そのことが、怖くてカミングアウトできない人は、
たくさんいるんだろうと思う。
このセリフに繋がる女の子の態度、
今まで意識してなかった、自分の中にある差別心に気づくところも、
リアルで「こうことってあるだろうな」と思った。
一番違和感のあってのは、「かかってこいよ世界」というタイトルだったかな。
なんとなく、気持ちはわかるけど、
このタイトルが、映画全体を表してるようには思えないし、
このタイトルで、この映画を観に来る人に応える内容の映画だとも、
あまり思えなかった。