そこには、確かに魂の交流があった。美しい魂の交流が。BBBムービー「DAIJOBU」。
禅僧とヤクザ、
ある意味、交わることのありえないような、両極端の、
だけど、道を極めた二人。
一人は、湯川秀樹博士の元で素粒子物理学を学んでいたのに、
禅の世界に入り、どこの寺院にも属することなく、探求する人物、村上光照さん。
禅で宇宙を含めた、この世界を理解しようとすることは、
素粒子物理学と繋がってるのかもしれない。
そしてもう一人は、西成の武闘派独立系の元組長。
23歳という若さで二代目襲名しながら、
冤罪で22年を獄中で暮らした人物、川口和秀さん。
この交じりようのない二人が、
美しいとも思えるような交流をする。
と言っても、二人が直接会ったのは、
映画を観る限り、二回しかない。
なのに、映画を観てると、この二人の間に、
確かに魂の交流があって、
それが共鳴しあってるように思える。
最初は、スクリーンで観てても恐ろしいような、
川口さんの目が、映画が終わる頃には、
村上さんと同じような、何もかも見通したような、
穏やかな目になってるのを観るだけでも、
この二人の間の魂の交流が感じられる気がした。
川口さんの「反省はするけど、後悔はしない人生。」
という言葉が、突き刺さった。
その言葉は、今も響いている。
人生をまっとうするために、すごく大事な言葉だと思う。
劇中の笹久保伸さんのギターも良かったけど、
エンディングに細野晴臣さんの「恋は桃色」が流れてきてびっくりした。
この日、これを観る前に「アンダーカレント」という映画を観てて、
それも細野晴臣さんが音楽やったらっしゃったからも、あるけど、
映画の流れからして、すごく意表を突かれた気がしたからの方がでかい。
けど、観てるうちに、「この映画がこの曲で終わって、良かった」と思えた。
まだ、全部、観きれてないような気がする。
この映画からワシが学べることの半分にも到達してない気がする。
なので、もう一度、観てみたい映画である。