こんな綱渡りの展開だったとは。フェスの始まる前から、すごい。始まっても、すごい。BBBムービー「リバイバル69 ~伝説のロックフェス~」。

公式サイト

ジョン・レノンがまだビートルズのメンバーだった1969年、
トロントで、初めてプラスティック・オノ・バンドとして
ステージに立った伝説のフェス。
と言うか、映画観てると、このフェスに出て、
ジョン・レノンは、ビートルズと決別できたんちゃうかな、思う。

チャック・ベリー、ジェリー・リー・ルイス、
リトル・リチャード、ボー・ディドリー、
すごいロックのレジェンドにプラスして、
この時期、旬であったろう、ジョン・レノンやドアーズ、シカゴ、
このフェスきっかけでブレイクしたアリス・クーパーなど、
出演者を今見ると、屋上屋を架すような感じだけど、
この時代にはロックレジェンド達だけでは、
人を呼べないほど、骨董品扱いされてたらしい。

まずは、そのレジェンド達のフェスってことでリークしたんやけど、
チケットの売れ行きは散々。
ならば、と今をときめくドアーズを呼ぶが、
この頃、ドアーズはジム・モリソンの奇行が臨界に達してた頃らしく、
逮捕もあり得るような状態で、
やっぱり人は集まらない。
アリス・クーパーは、この時は無名で、
「お前にもやらせてやるから、
お前のバンドでレジェンド達のサポートしてよ」な感じやったらしい。

で、奥の手で、ジョン・レノンというわけや。
同じカナダのモントリオールでベッドインやった少し後やった、
というのも関係してるのかな?

とにかく、綿密に計画されたフェスではなく、
行き当たりばったり、急場凌ぎの、綱渡りやったらしく、
この映画には「ほんまに実現できるんやろか?」と、
結果知ってるのに、ドキドキしてしまう側面もあった。
けっこうやばい人たちにも協力をあおいだりして、
ほんま、このフェスが成功せんかったら、
主催者の命なかったんちゃうか、
というドキドキもあった。

で、ようやく漕ぎ着けた開催日。
開催日になっても、まだトラブルは納まらない。
ほんま、これがストーリー映画なら
「そんな嘘くさい、無茶な脚本あるかよ!」と思ってしまいそうなんだが、
事実なんだから、仕方ない。

レジェンド達は、久しぶりの大観衆の前での
パフォーマンスやったんやろう、
すごい熱の入れようで、
「このステージが最後」という覚悟がありそうな、
パワフルなステージを展開する。
ジェリー・リー・ルイス、リトル・リチャード、文句なしにかっこいい!!
チャック・ベリー、ダックウォークで、
ステージ何往復したんやろ。

アリス・クーパーは新人とは思えない、
ふてぶてしいまでの快演を披露。
ちなみに、あの「にわとり伝説」は、この時に始まったらしい。
たまたま、会場近くを歩いてた鶏を、
スタッフがバックステージに持ち込んでたら、
アリス・クーパーがステージに持ち込んで、
客席に投げたらしい。
「噛みちぎってはない」と映画内のインタビューで本人は言ってた(笑)

そして、プラスティック・オノ・バンドは、どの瞬間もが、
歴史に残るようなステージを展開した。
ジョン・レノンは、一音一音、
ビートルズではできなかったこと、
自分が、より自分になっていく音を、
確認しながら、確信しながら演奏しているように見えた。

ラストのドアーズは、契約上の問題か、ライブ映像は非公開だったけど、
ジム・モリソンが亡くなる三年前、絶頂期に、
ここでドアーズが演奏することで、
このフェスは、さらに伝説の頂に、登ったんじゃないかな、と思う。

あんまり前知識なしに観に行ったのだが、
ほんま、ぶっ飛ばされるような、
すごい展開で、すごいステージであった。

ちょっとだけ気になったのは、
インタビューを受けた当時の観客で、
黒人の人が、「たぶんあの会場で黒人は私たちだけだった」と言ってたこと。
こんな出演者に黒人いっぱいおるフェスでも、
当時は、黒人と白人の行動範囲って、
そんなに区別みたいなもんがあったんやな。

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