岩井俊二さんらしいやり方で震災に向き合った映画かもしれん、と思いました。BBBムービー「キリエのうた」。

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休憩なしの3時間くらいの映画ってことで、
頻尿気味のワシは、ちょっと緊張しながら観ましたが、
3時間退屈することなく、
最後まで、ドキドキしながら観終わりました。
まあ、終わってすぐにトイレに駆け込みましたけど。

震災で負った心の傷を、
ただのモチーフにしない。
テーマは重いけれど、
被災者当人を傷つけることがないよう、
観る人に自分ごとのように感じられるよう、
細心の注意を払いながらも、
ちゃんとセンスよく、かっこよく、オシャレに仕上げてる。
岩井俊一さんらしい後味を残す、佳作映画やなあ、と思いました。
やはりすごい監督さんです。

ワシは体験したことないのだけれど、
戦争や震災などで、生き残った人が感じるような
罪悪感のような気持ちにも向き合った上で、
すべてのものは、流れていって、確かなゴール地点など、
存在しないのだ、という無常感も感じたりしました。
すごく真摯な態度で、制作に臨んだんやなあ、と思いました。

最初はバラバラだったパズルが、
少しずつ、まとまってきて、
ひとつの絵になるかのような、
ミステリーっぽい構成も、
面白いなあ、思いました。

最後の方は、ちょっとドラマチック過ぎないか、
イメージ重視の方向に流れちゃったかなあ、
という印象もありましたが、
テーマを踏み外してないのは、流石やなあ、思いました。

ある意味、キリエ(路花)と逸子(真緒里)の恋愛映画でもあるんちゃうか?
と思ったのは、ワシの考えすぎでしょうかね。

アイナ・ジ・エンドさんの声は、
さすがに映画のキーになってるだけあって、
素晴らしかったです。
鈴木慶一さんが出ると聞いてたのですが、
どこで出たのか、気づかなくて、
終わってから検索してしまいました。
あそこか〜〜!

宮城県出身の岩井俊二さんが、いつかは創らなくちゃ、
という思いに向き合った作品だったのかもしれんなあ、
だとしたら、完成した時の、達成感というか、
ひとつ荷物を下ろしたみたいな気持ちも、あったんやろな、
と帰り道で思いました。

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