イスラエルの子どもたちと、パレスチナの子供たち。BBBムービー「プロミス」。
火だるまになったタイヤが坂の上から転がって来た。
アジアンドキュメンタリーズの配信で「プロミス」を観る。
22年前の映画だが、ユダヤ系アメリカ人監督が、
すぐ近くに住むのに、お互いの生活を全く知らない子どもたちに、
インタビューして、次第に距離を縮め、
最後には、会わせるドキュメンタリー。
今よりは、ずっと穏やかだが、
それでも、やはり戦闘やテロとは背中合わせで、
弟が殺されたり、父が投獄されたりしている子どもたち。
この子達は、ほんまによう考えている。
過激な思想を持ってる子どももいるけれど、
中には、パレスチナの立場をきちんと理解するイスラエルの子どもがいたり、
「どっちにしろ、殺し合うのは間違っている」と思う子どもたちがいたり。
だけど、なかなか実際会うには至らない。
その距離を監督は辛抱強く縮めていく。
そして実際会ってしまうと、
最初はお互いよそよそしいけれど、
しばらく経てば、子犬のようにじゃれ合う。
けど、真剣に話すと、いつまで友だちでいられるかわからない、
お互いの立場も、よく理解している。
子どもたちが、自分たちの生きることに、
まっすぐ向き合ってるだけに、
この、どうしようもない状況が、本当にもどかしい。
出てくる子どもたちは10歳前後だろう。
ということは、今は30ちょっと。
お互いが最前線で戦ってるのかもしれないと思うと、
本当にいたたまれない。
お互いを殺し合うことが正当化される宗教って、
一体なんなんだろう。
それが「正義」と信じてる政治家って、
本当に、相手を殲滅するまで、
戦い続けるのだろうか。
人間の智慧と進化で、乗り越えられないものなのだろうか。