戦闘は終わっても、戦争は終わらない。BBBムービー「ほかげ」。
最初のシーンで「あ!塚本晋也さんの映画!」とわかる映画だった。
最初から最後まで、一瞬たりとも気を緩められない緊張感も、
塚本さんならでは。

戦闘は終わっても、戦争は終わっていない。
人の体に、心に、暮らしに負った大きな傷は、
戦闘が終わったからといって、すぐに癒えるものではない。
四人は、それぞれに引きづりながら、
生きていこうともがいたり、
終わっていない戦争に決着をつけたりしようとする。
必死なだけに、それでもどうにもならないこともあるだけに、
四人の姿は、美しくも悲しい。
少しだけ希望を感じられる終わり方に、
ちょっと救われたけど、
飲み込みきれない、塊が、ずっと喉につかえている。
「ほかげ」は素晴らしいタイトルやなあ。
火、そのものではなく、影だけで
戦争は、ここまで人を追い詰めるものなのだ。
そしてこれは70年前の物語ではなく、
今も、ウクライナで、ガザで、シリアで、ミャンマーで、
同じようなことが起こっている、
ということを忘れてはいけないと思う。
ちょっと「お!」っと思ったのは、
何度も夕暮れ時に鳴いてた声、
沖縄で聴いたヤモリの鳴き声やと思うんやけど、
昔は、内地のヤモリも鳴いてたのか?
それとも、この映画の舞台が沖縄なのか?
いやあ、後者はないな。