観たことあるようで、初めて観るような、「今年No.1の牛映画」らしいです。BBBムービー「ファースト・カウ」。
ストーリーとしては、シンプルで、
わかりにくさのひとかけらもない。
映像が美しく、音楽が透き通っていて、
映画全体が、一片の詩のようにも感じる、
観終わった後は、気持ちがス〜〜っと、
和らいでいることに気づく、素晴らしい映画だった。
なのに、観てる間は、何か気持ちがざわつく。
ちょっとしたことにドキドキしたり、
登場人物のひとことにホッとしたり。
そうか、これって、人が生きてるってことなのかもしれないなあ。
ワシ自身、100年も経てば、誰の記憶にも残ってない、
無名の市井の人間である。
でも、その毎日は、ちょっとしたことで、傷ついたり、
「もう終わりや」と思ったり、
「これで何の心配もない」と安心しきったりしている。
この映画は、アメリカ開拓時代のそんな無名の人物の、人生を、
美しく、詩的に描いてるのかもしれんな。
とにかく観たことあるようで、何にも似てない初めて観るような
映画だったことは、間違いない気がした。
この映画観た友だちと話をしたのだが、
その友だちが言うように、どんな映画を観てきたら、
こんな話を撮ろうと思うのか、その軌跡や、
どんなものが撮りたくて、この映画を撮ろうとしたのか、
その初動が、とても気になる映画でした。
予告編の「今年NO.1の牛映画」というフレーズには、
かなり笑わせて頂いた。