中東から、またすごい才能が。BBBムービー「葬送のカーネーション」。
こちらの少女は、さらに無口。
たぶん、あの一種類の言葉しか発してないのではないか。
そのパートナーの祖父も、ほとんど言葉を口にしないし、
この映画をロードムービーとしてみるなら、
もう一人の旅仲間はご遺体なのだから、
なんと、言葉の少ない三人であることか。
なのに、映画はものすごく雄弁だなあ、と思った。
風景が、ラジオからの言葉が、夢が、
啓示のように、世界を形作っていき、
主人公の少女とともに、
観客をも育てていくかのようである。


ビジュアルが、どのワンシーンでもポスターになりそうなくらい、
完成度が高い。
美しい、と言うよりは味わい深い。
そのビジュアルからも、ものすごく詩的なイメージがあるのだが、
どっしりとしたストーリーも感じさせる映画でもあった。
宗教のこと、紛争のこと、国境のこと、となると、
ワシには、少し理解しにくいところもあるのだが、
それでも「この作品は、すげえぞ!」ということは、
十二分に感じられるのであった。
これはトルコの映画だそうだ。
中東の映画、面白いのが多いんよなあ。