あったかい涙が滲みました。BBBムービー「コット、はじまりの夏」。

少女が主人公の映画、二本続けて観てきた。
どちらも無口すぎるくらい無口な少女で、
二人合わせて、50音節も喋ってないんやないか?

まずは、こちら。

公式サイト

ほとんど喋らないけれど、少女の気持ちが痛いほど伝わってくる。
大きな事件は、ほぼ何も起こらないけど、
彼女の気持ちが、少しずつ動いていく様子が手に取るように伝わってくる。
これを、意図的に演技としてやってるんなら、すごい才能やなあ。

キャッチフレーズは「やっと見つけた、わたしの居場所」だが、
この少女は、自分に居場所がないことすら、気づいてなかったのではないだろうか。
他に比較する要素のない子どもにとっては、
たとえ、それが親からの虐待やネグレクトであっても、
それが世界のすべてで、
他に世界があること自体、気が付かないのではないだろうか。

けど、どこにいても、居心地が悪い、ということは、感じていたのだろう。
ワシも、子どもの頃、親に虐待とか受けたわけでもないし、
学校でいじめられてたわけではないけれど、
常に、どこか居心地が悪い気持ちを感じていたので(今もかも、だが)、
この少女の気持ちが、理解できる気がしていた。

それだけに、最後、彼女が気持ちを行動に表すシーンでは、
溜まっていたものが、全て洗い流されたような気持ちになって、
胸がキュンキュンとして、少し涙が滲んだ。
その涙は、いつもの涙より、少し温かい気がした。

アイルランドの緑に囲まれた美しい風景の中、
派手さは微塵もないけど、じっくりと人の心を描いた、
こういう映画が、世界的に評価されてるらしいことが、
本当に嬉しい。

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