う〜む、山下敦弘さんが撮らなくても、と思ってしまった。BBBムービー「カラオケ行こ!」。

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笑える面白い映画であることは間違い無いと思う。
けっこう今の日本映画にありがちな、
「笑って泣けて、ほっこりできるハートフルコメディ」のパターンに
ガッチリハマった映画、という印象。
ワシの好みではないけど、
そういう映画があっても別に構わない。
けど「山下敦弘さんが、この映画、撮らんでもええんちゃう」
の気持ちが拭えない。

ワシは、山下さんの「天然コケッコー」とか「オーバーフェンス」とか好きで、
人生の悲しみを知りつつ、それを心に抱きながら、
汚れたままで、生きていく人に共感してて、
そういう期待を持ちつつ観てしまったので、
こういうありがちな映画だということを、
残念に感じてしまったのかもしれない。

冒頭のシーン、雨の中、ズブズブに濡れたカッターシャツ、
刺青がモロに見えている。
手には、背広。
印象的なシーンではあるが、
この状況で、中学生の合唱コンクール会場に入るなら、
せめて、背広で刺青隠そうとしないか?
そういう気遣いのできるヤクザとして、
主人公、描いてるんじゃないか?
中学生の前で、焦って背広を着るシーンとかあれば、
もっと映画に入れたのにな。
とか、いろいろ細かいことで気になるとこも、
いろいろあった。

予告編にも入ってるセリフで、
「きれいなもんしかあかんかったら、この町ごと全滅や」
というのがある。
このセリフは好きで、ここを掘り下げていったら、
きっと、山下さんらしい映画になる気がするなあ、と思った。
そうできる可能性が、少し見えた分、
余計に残念に思えてしまう映画であった。

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