ある時、スッとタイトルが体に入り込んできた。BBBムービー「すべて、至るところにある」。
過去と現在が重なり合う。
時間が行ったり来たりするので、
ある意味、わかりにくいのだけれど、
それが苦痛ではない。
物語と現実も混じり合う。
フィクションかと思ってたら、
突然、バルカン半島の人たちが、
戦争当時の話を始める。
なのに、それもと不自然ではない。
監督の過去や現実が、
主人公の人生に、溶け込む。
それもごく自然に。

そしてある時、ふと「すべて、至るところにある」というタイトルが、
スッと、理解できる。
理屈ではなく、生理的に。
頭に入る、というよりは、
体に入り込んできた気がした。
音楽が素晴らしく良くて、
しかも映画のシーンに合っている。
詩のように叙情的で美しい映像のひとつひとつに。
不思議だけど、気持ちのいい感覚だった。
リム・カーワイの映画がもっと観たいと思った。