映画「Do The Right Thing」の影響で買ったジャンパー。

いまだにラップも、ヒップホップも、苦手だけど、
この映画観たときには、後頭部殴られたくらい衝撃があった。

ドゥ・ザ・ライト・シング〜無関心のままじゃヤバイんだよ、そろそろ真剣になろうぜ

ニューヨークと言うと、誰もが口にする「人種の坩堝」という状態が、
こんなワンストリートのワンブロックでもあることに驚いた。
最近観た映画でブルックリンの良いところを聞かれて
「いろんな人種がいること」と言った同じ人が、
ブルックリンの悪いとこと聞かれて
「その人種が憎みあってるところ」と答えていた。
変わってないんやろな。

この映画の公開1年後くらいに、ニューヨークに行った。
メトロポリタンも、Dakotaアパートも、MOMAも、
ビルボードも、行ってみたかったけど、
いちばん行きたかったのは、ブルックリンで、
その頃ブルックリンにあったスパイク・リーのオフィシャルショップには、
どうしても行きたかった。

そこで見つけたジャンパーに一目惚れして、
5万円くらいと結構、高価だったが、
「ここで買わないと、二度と会えないだろう」と買った。
一緒に行ったさとちんに「そんだけ気に入ったなら絶対買うべきです!」と
きっぱり言われたのを覚えてる。
さとちん、ありがとう!

以来、ずっと気に入って、20年以上着続けていた。
さすがに数年前、袖が破れ、肩の布地もボロボロになり、
ポケットは、ステッチ状の布地が敗れて
綿が飛び出すような状態になったので、
修理したいとずっと思ってた。

ナオユキさん経由で知った店で「直せますよ」と言われて、
飛び上がるほど嬉しかった。
ナオユキさん、ありがとうございます!
「ポケットと肩の布地は気に入ったのをご用意ください」と言われ、
虎屋に探しに行った。

最初は「オリジナルに近いものを」と思っていたが、
虎屋の端から端まで見てもオリジナルのイメージのものはない。
袖が、片方は赤、片方は緑で、胴体が黒なので、
間をつなぐ肩は、どうしてもオリジナルに近いオレンジか、黄色くらいしか
あかんような気がする。
なりふり構わず、虎屋でジャンパーを出して、合わせて見たが、
青は、どうしても緑に繋がって見える。
「やはり、オレンジ、黄色系か」と、オリジナルに近い模様の布地を
合わせてみたが、オリジナルの方が絶対いい。
「修理だから、仕方ないか」と思おうとしたが、
「嫌だ!」と思ってる自分がいる。

考えた末、「じゃあ、オリジナルにはない考え方だ!」と思い、
和柄を合わせてみた。
色目(いろめ)的にはいい。
合うかどうかは分からんけど、
今までワシの頭にはなかった組み合わせであることは間違いない。
元々、ワシは和柄好きで、持ってるアロハもほとんど和柄だ。

いろいろ合点が行って、それを買って帰ると、
お店のおっさんに「これは合わんのちゃいます?
元々のジャンパーにない発想ですもん」と言われた。
けど、ワシは「これでお願いします」と押し切った。
おっさんの反応は当然なんやろが、
ワシが納得することが、いちばん大事なことやと思った。

元々のジャンパーの買値となんぼも変わらん修理代がかかった。
斯くして、ワシは、次の冬、笑われるかもしれんくらい、
チグハグなメッチャダサいジャンパーを着て、
なのに、ニコニコしながら町を歩いているのだろう。
仕上がりが、楽しみでならない。

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