「かぞくのくに」と「のぼうの城」。
今月は出張が多く、このままではTSUTAYA DISCASに
完封負けするとこだったんで、一矢を報いるために、
昨日、今日と、ゆっくりDVDを鑑賞。
今月、これだけになるかもしれんけど、
充実した2枚やった!大満足。
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「かぞくのくに」
かつて北朝鮮が「地上の楽園」と呼ばれた時代に、
移住した在日の兄が、脳腫瘍の手術を受けるために帰って来た。
それを迎える妹と両親の物語。
この映画で描かれる理不尽が、かの国の実体なのかどうか、
寡聞にして判断できる基準を持たないが、
国家の理不尽に個人が翻弄され、
家族が引き裂かれる、というのは、
かの国に限ったことではないように感じた。
国家とは一体何のために存在するのか、
個人の幸福追求を拒絶する国家が果たして必要なのか。
日本を含め、世界のすべての国に共通している問題の
ように感じた。
そして、丁寧に描かれた家族の感情。
一度だけ、父に感情を荒げる兄。
手の届かない息子を思う母の愛はこういう形で表れるのか。
そして、兄の思いを受けて、決意を込めて町を行く、
妹のラストシーンの表情には、
悲しみと怒りを力に変えて前を向く凛々しさを感じた。
かの国の状況をモチーフにしてはいるが、
これは、家族と国家という普遍的なテーマを
題材にした映画だと思う。
![](https://bridgebybridge.net/wp-content/uploads/nobou1640_large.jpg)
「のぼうの城」
だいぶ前に小説を読んで面白かったし、
あんまり評判も良くなかったようなので、
映画を見るのを躊躇していたが、見てよかった。
痛快で気持ちのいい時代劇だった。
ワシには楽しめた。
秀吉の北条攻めのとき、石田三成を総大将にする2万の大軍に、
たったの500の軍勢で北条方で唯一城を守り抜いた
忍城の成田長親の物語。
やはり、野村萬斎が圧巻だった。
というか、野村萬斎抜きでは、この映画は成立しなかったと思う。
田んぼでの踊りのシーン、少しエンターテイメントが強調されてるが、
田楽踊りって、こうやって発生したんだろうな〜と感じた。
水上での踊りのシーンは、物語のハイライトで、
ここでの踊りも素晴らしいが、
このシーンでは、踊り終わったあと、石田三成を見つめる表情に
野村萬斎の凄さを感じた。
石田三成役の上地雄輔も芝居してるとこ、初めて見たけど、悪くなかったな。
音楽がいいな〜と思ったら、元ゲルニカの上野耕路さん。
そして何曲かは上野耕路さんの弟、上野茂都さんが作曲してるようだ。
上野茂都さんは、鈴木常吉さんと一緒に
「つれれこ社中」をやってた人で、
今は三味線で日本のルーツ音楽(?)をやってる人。
わりと豪勢な予算かけた大作映画だけど、
味な人選やなあ、と思った。
面白かったのは三成方の長束正家。
映画の中では悪役で、
力のあるものには媚びへつらい、
弱者には、偉そうにして、最後はぎゃふんと言わされる。
実は、ワシの元上司が、この長束正家の直系の子孫で、
この長束正家とは真逆の反骨精神の持ち主だったので、
思わず、そこで大笑いしそうになった。
やっぱり映画はおもろいな〜!