雨の京都歩き。

昨日は、観たい映画があって、雨の中、京都まで行ってきた。
最近は、映画館の上映スケジュールが3日分くらいしか
発表されてないところが多く、けっこう観たい映画を観逃してしまう。
今回も、知らん間に大阪上映が終わってしもてた。

「雨やし、今度にしようかな」とも思ったのだが、
天気予報見ると、これから一週間、ずっと雨マークだったので、
「じゃあ」と腰を上げる。

観てきた映画は「トゥルー・ノース」。
北朝鮮の政治犯収容所を舞台にした3D CGアニメーションの映画だ。
CGアニメ、ちょっと苦手なんだが、このアニメーションは絶妙だった。
すごく凄惨な場面が多いので、実写だったら、そういうの苦手なワシは、
観てられなかったかもしれない。
かと言って、2次元アニメだとリアリティに欠きそう。
しかも、このアニメ、人物はわざとポリゴンの精度を上げず、
カクカクとした感じで仕上げている。
背景や花は、なめらかに仕上げてて、
これが絶妙なリアリティを生み出すキーになってるのではないかなあ。
お見事!でした。

この映画、脚本が素晴らしく、
ただ北朝鮮の知られざる事実の告発に終わらず、
人として「生きる」ということを深く掘り下げた作品になってる。
決してハッピーエンドではないのに、
観終わると、生きる希望みたいなのが湧いてる自分に気づいた。
もう一度観たい、素晴らしい映画だと思う。

観終わってから知って、「なるほど!!」と思ったのは、題名。
「本当の北」ということで、北朝鮮の内情の告発をタイトルにした、
と思ってたのだが(もちろん、それもかけてるんだろうけど)、
タイトルに籠めた思いは、
英語の慣用句で「真に重要な目標」を意味する、
ということなのだそうだ。
コンパスは、自分がどこにいようと必ず北を向く。
そのことから、「決して変わらない目指す方向、正しい方向」
「生きる意味」を表す言葉として使われるようになったそうだ。
これを知ったとき、ワシも「この映画にこんなふさわしい言葉!」
と驚いたが、
この言葉を見つけたときのスタッフの興奮はもっと凄かったのではないか。

と興奮してたのは、熊野神社前まで移動してる京都市バスの中でした。
次の目的地は、
熊野神社前から西の鴨川に向かう途中にあったのだ。
その道には、京都大学熊野寮がある。
ワシが学生の頃からある、吉田寮と並ぶ自治寮だ。
中には入らなかったけど、立ち並ぶ看板見て、少し嬉しくなる。
「もっとやってくれ!!」と心の中でエールを贈る。

その斜向かい当たり、目的地は、イムラアートギャラリーでやってる
川人綾さんの個展「織(Ori) Scopic」。
何で観たのか忘れたが、どこかで知って「是非来たい!」
と思ってた展覧会。
来れて良かった〜〜!

色とりどりの垂直の線とそれと交差する45度の線。
近くで観たり、離れて観たりを繰り返す。
全然印象が違って観えて、
なんとなく脳みそがグワングワン言い出す気がする。
似た色が重なってるところが、手前に盛り上がってるように感じたり、
一本の線を追っていくと、他の線がないように感じたり、
本当に一本の直線なのかどうかも自信が持てなくなったり。

なんとなく、脳みその中って、こんな風に繋がってるんやないか、
なんの理由もなく、そんなこと、考えてた。
この展覧会は、明日まで。お時間ある方は、是非!

「今日の明日って!」という方には、来年2月から、
京都市京セラ美術館でも、開催されるようです

さて、ギャラリー出ると、雨は降ってるかどうか、
分からんくらいの小降りになってた。
「なら歩こうか」と路地を選んで歩く。
三条京阪で納さんに教えてもらった食堂に寄りたかったのだが、
生憎、昼から定休で閉まってる。

三条大橋を渡ると、鴨川はかなり増水してた。
これからも雨、続くのに大丈夫かなあ。

その雨に洗われたのか、先斗町の歌舞練場の壁が美しく見えたので、
じっくりと観てみた。

う〜〜ん、美しい。
最近「タイルってええなあ」と思ってるので、改めて観ると、
先斗町歌舞練場は、貴重な美しいタイルの宝庫やなあ、と思えてきた。

先斗町を突っ切って、四条通に出ると、
ビルの入り口に燕が飛び込んで行った。
「なんでやろ?」と覗き込むと、
ビル一階のオープンスペースに向かい合わせにツバメの巣がふたつあった。

うまいこと、雨に絶対濡れない内っ側に作るもんやなあ、
と感心しつつ、ラッシュが始まる前に、阪急特急で家路に着く。

Follow me!

雨の京都歩き。” に対して1件のコメントがあります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ライブ

前の記事

男前、山川のりを。
食べもん

次の記事

意地悪な疑問。