「十三で3本立て」の3「ダンシングホームレス」。

本日、遅くまで粘ったのは、この映画が観たかったからです。
明日で終演で、今日しか観るチャンスがなかったんす。
いやあ、観てよかった!「ダンシングホームレス」。
新宿の路上生活者のダンスチームのドキュメンタリー映画です。

ポスターのキャッチにあるように、
社会との紐帯のないホームレスだからこそできる、
原始的な表現なのかもしれない。
ダンスのひとつひとつが、凄いとは思わないし、
技術も、見惚れるようなものではないと思う。
だけど、そこには、文字通り、
身体ひとつで生きる人にしか出来ない
身体ひとつでやる表現があるような気がした。
ある意味、ギリヤーク尼ヶ崎さんに通じるものがあると思う。

このダンサーひとりひとりの経歴が、ほんま面白い。
その人に密着するだけで、一本の映画になってしまう気もする。
「そんなことで路上生活者になるか?」と言われるかもしれないが、きっと
他人にとっては、取るに足りない理由でも、
本人にとっては、やむにやまれぬ理由なのだろう。

そんな過去を、全部飲み込んで、この人たちは踊る。
過去を飲み込むと言っても、コーヒー焙煎やってた人が、
その動きを取り入れて踊る、みたいな単純なことじゃない。
今までの全人生を、その身体の隅々にまで行き渡らせた上で、
頭を空っぽにして、何も考えずに、本能にまかせてるような動き。
ほんまの意味で昇華させているんやろうなあ、と思った。

最後の新宿副都心でのダンスシーンは、ほんまに圧巻やった。
ワシの中の何かが呼応して、喉から飛び出しそうな気がした。
もしかしたら、ワシ的には、アメリカン・ユートピアのダンスより、
凄いと思ってる気がする。
ということは、ワシ史上、最高ということになるのかもしれない。

この映画、嬉しかったのは、遠征先で、映画の半分近くの時間を割いてるのが、
大阪西成のシーンだったことだ。
彼ら、あ、ダンスチームの名前言ってなかった。
「新人Hソケリッサ!」が西成に呼ばれ、
ワークショップやったり、ワシも行く西成の三角公園夏祭りに参加したりするのだ。
おなじみの風景に、おなじみのおっちゃんたち。
もしかしたら、ワシの知人もいたかもしれない。
夏祭りのステージにバンドも出てたが、あれは「はちようび」だったのかな?
寺尾紗穂さんの曲に合わせて踊るシーンがあったのも嬉しかった。

とにかく観処いっぱいの映画なので、
ぜひ沢山の人に観てほしいのだが、
この映画、十三のシアターセブンでやる明日の上映が、
今のところ、最後の上映なのだ。
観に行くのが遅くてすみません!!

ああ、でもほんま、みんなに観て欲しいなあ。

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