みうらじゅんマイ遺品展@大山崎山荘美術館。

めっちゃ行きたくてたまらんかった展覧会「みうらじゅんマイ遺品展」に行ってきた。
なんとなく、グランフロントの北館でやってそうな展覧会やのに、
大阪からも京都からも少し離れた天王山の山麓、
緑だらけで、宇治川、木津川、桂川の合流して淀川になる地点の見渡せる
アサヒビール大山崎山荘美術館でやってるのも、なんか嬉しかった。

会場のあちこちに、車通るわけないとこやのに、
みうらじゅんバージョンの飛び出し坊やがおって、
その度、クスッと笑わされて、
もうそれだけで、「グランフロントやなくて、ここで良かった!」と思うのであった。

来るたびに写真で紹介してるけど、ここは実業家、加賀正太郎氏が作った山荘を
創建当時の姿に修復した美術館。
建物自体も素晴らしくて、どっか芸術心のある大金持ちのおうちに呼ばれて、
コレクションを観せて頂いてるような気分になる。
他の美術館では味わえない雰囲気が気に入ってます。

さて、展覧会。

膨大なコレクションやなあ。
普段、どう保存してるんやろう。

中には、ワシの持ってるのと同じものもあったりして、クスッと嬉しくなったりもする。
ほとんどのエリアは写真撮影できなかったのだが、
離れのような一角だけは撮り放題だったので、
撮りまくってきた。
この写真だけでもすごいが、
実際は、この数倍の展示物の山だった。

ひとつひとつだと、見向きもされないような、
くだらないものが、それぞれのテーマの元に集まると、こんなにおもろくなる。
これって、「おもろいもの」を「美しいもの」に変えれば、
柳宗悦さんの民藝運動と通じてるんではないか。
「おもろいもの」をファニーからインタレスティングに変えると、
梅棹忠夫さんの文化人類学に通じてるのではないか。
そう思うと、この展覧会の会場は、
なんとなく、日本民藝館や国立民族学博物館に似てるような気がした。
みうらさんはモノで集めてるが、これを話に変えると、
柳田國男さんの業績にも通じる気がする。

今までは、みうらさんにそんなこと感じたことはなかった。
「視点がおもろいなあ、自分に似てる気がするなあ、これぞ、サブカル!!」
そんな風にしか思ったことなかったけど、
こんだけまとめて見ると、みうらさんがずっとやってきたことって、
ある意味、昭和博物学、みたいな見方もできるんちゃうか、
と思ってしもた。
まあベースは「おもろい」やから、
気楽に笑いながら観ても、全然ええし、
その方が、みうらさんも望んでることやろうと思うけど。

これは柳宗悦さんや梅棹忠夫さんにも通じるかもしれんけど、
収集の基本には、「作ってる人に意図のないこと」
というのが、ある気がした。
みうらさんの場合、
「完成度の低さや、視点のアホらしさがあって
まとめて見ると、ひとつのジャンルになるくらい、
各地に共通する同巧のもののあるもの」というのが、
コレクションの基本かな。

「作ってる本人が、意図や邪気がない」ってことも大事なんやろうな。
みうらさん自身が起こしたブームやけど、
それに乗っかった意図的な「ゆるキャラ」は展示されてなかった。
複雑やろうなあ。
自分がゼロから創ったブームで、
それ以降、ほんまの意味でのゆるキャラは
生まれなくなってしまったんやもんな。

とか、どうでもええこと考えながら、
夕日に染まる三河川合流地点を眺めていた。

絶対欲しいな!と思った図録は、制作途中らしく、
もちろん、予約して美術館を後にした。

今日は、少し出遅れてしまって、1時間くらいで駆け足で観てしまったが、
3月6日までやってるので、
「今度は一日かけて来ちゃる!」と決心して、
ええ感じに染まる山崎駅から大阪に戻るのであった。

もう一度行きました。

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