映画「鈴木さん」。

ポスターがおもろかったので、何の情報もなしに観た映画だった。
ところが、観ると、なまじのスリラー映画より、ずっと怖い映画だった。
鈴木さん」。

何の変哲もない、
日本のどこにでもありそうなちょっと田舎の町。
見慣れた風景。
だけど、そこに住んでる人は、何か違う。
「こんなところに住みたくない」と思ってしまう。

価値観がひとつに決められた世界では、
そこから少しでもはみ出してしまう人を、
同調圧力で、圏外に追いやろうとしてしまう。
時には、正義ヅラ、いい人ヅラして。
時には、自粛警察のような正義ファシズムで。
正義を背負えば、リンチのようなことも正当化される。
しかも、権力は、それを後押しする。

書いてて恐ろしくなった。
これって、想像の社会ではなく、
すぐ先にある現実なのではないか。
今の社会状況、社会の進んでるベクトルを考えると、
こういう状況に確実に進んでるのではないか、
と思ってしまった。

「悪の凡庸さ」という言葉が思い浮かんだ。
その悪が、善意のある住民たちでなされる社会は、
本当に地獄だと思った。

怖いのは、こういう社会を望んでる人が、
けっこういるんやないか、と思えること。
いや、望んではないかもしれないけど、
あなたたちの言動の先には、
こういう社会が待っている、と言うことに気づいてない人たちなのか。

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