映画「帆花」。

最初に言ってしまうと、「帆花」は、どう捉えていいのか難しい映画だった。
ほぼ脳死状態で生まれてきた女の子と、そのご両親、
そして、それを取り巻く人々のドキュメンタリー映画。

生まれてきた時は、「脳死に近い状態」と言われながら、
ちゃんと成長して、その間に科学技術の進歩もあって、
意志や感情があるだろうことがわかったりする。
ご両親の一方通行かもしれないし、
確かめる手段はないけど、
次第に心の交流のようなものが感じられるようになる。

ずっと観てると次第に、特殊な状況を抱えてはいるけど、
普通の親子の物語に思えてきたり、
「命」の定義が、分からなくなってきたり、
気持ちがいろいろ揺れ始めた。
でも、ちゃんと帆花ちゃんには魂が宿ってる。
閉じ込めれている分、強い意志を持っている。
そのことだけは、強く感じた。

観終わってから思い出したのは、
2019年の秋、この状況が始まる直前にALSで亡くなった先輩のこと。
帆花ちゃんは、最初から意思が閉じ込められていたが、
その先輩は、毎日毎日、少しずつ閉じ込められていく意志と、
向き合い続けていた。
どんなに辛かっただろうと、体が震えたが、
帆花ちゃんを観ていると、どういう状況であれ、
意思があるから、幸福もあるのだ、
と思えてきた。

そう考えると、この映画は希望の映画なんだと思う。
映画が進むにつれ、帆花ちゃんの顔が、
どんどん美しく見えて来たのは、
きっと希望の火が少しずつ大きくなって来たからだろう。

まだ消化しきれてないけど、
この映画は、ワシの心にも何かを灯した気がする。

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