映画「ブルーノートストーリー」。

ジャズの名門レーベル「ブルーノート」の歴史を辿る映画
「ブルーノートストーリー」を観てきた。

ワシがジャズの存在に気づいた頃から知ってる名前「ブルーノート」にも惹かれたが、
ヴィム・ヴェンダースのプロデュースってことで、
ブルーノートの名前くらいしか知らんのに「観たい!」と思ってしまった。

もちろん、綺羅星のようなビッグネームが次々出てくるが、
今回の主役は、その人たちではない。

へえええ!何も知らんワシは、ブルーノートと言えば、
ジャズの名門、巨大看板やと思ってたんやけど、
始まりは、ほんまにジャズが好きで好きでたまらん男二人の
純粋な気持ちから始まってたんやなあ。

しかも、その男二人は白人。
ナチスを逃れてアメリカに移民してきたユダヤ系ドイツ人やったとは、
さらにビックリ。

彼らも、ビックリしたらしい。
ドイツでも有名な黒人ジャズミュージシャンが、
その母国アメリカで、差別されて、非常に辛い思いをしてることに。
けど、それを知って、同じように、
母国と思う国から迫害されて来た自分達の境遇と重ね合わせ、
自分達がジャズに共鳴する理由が腑に落ちたんやと思う。
ジャズもまた、居場所のない人々の叫びだったのだ。

当然、彼らのミュージシャンに接する態度は、
他のレーベルとは全然違うものだったらしい。
ミュージシャンが薬でボロボロになっても決して見捨てず、
家族のように接したらしい。
その環境があったからこそ、
あれほど、素晴らしい音楽の数々が生まれたんかもなあ。

彼らの音楽を判断する基準は、ただひとつ。
シュウィングしてるかどうか。
生涯ドイツ訛りの抜けなかった彼らの言う「スウィング」の意味らしい。
ジャズのジャンルのひとつとしてのスウィングではなく、
その音楽で体が揺れるかどうか、みたいなことなんだろう。

「やっぱり音楽って、頭やなくて、体や心で聴くもんなんやなあ」
自分の音楽を聴く姿勢を肯定されたような気持ちと、
ときどき頭で聴こうとしてることがあるのを諌められたような気持ちと
両方感じて、背筋が伸びた。

とてもええタイミングで、ええ映画を観た。

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