映画「銀鏡(しろみ)」。

いきなり、天体映像から始まった。
「宮崎県の神楽の映画」と思っていたので、
「あれ?間違って入ったか?」と思ってしまった。

宮崎県西都市銀鏡に伝わる、星の神楽を詩的に紡いだ
ドキュメンタリー映画「銀鏡」を観に行った。

「銀鏡」と書いて、「しろみ」と読むらしい。
こんな美しい地名、聞いたことなかった。
しかも、星の神楽が伝わる町、
その神楽の舞台である銀鏡神社から来てるのだろうが、
ぴったりすぎる地名だなあ。

昔、同じ宮崎県の銀鏡からは、直線距離で50キロほど離れた
高千穂で神楽を観たことがあるが、
その高千穂の神楽と似ているけど、
銀鏡の神楽は、高千穂より、神秘的な気がした。

映画は、その神楽を中心に、その地方に住む人々の暮らしも丹念に描く。
人間の信仰、いや人間そのものと、星々、つまり宇宙とのつながりを、
言葉ではなく、心に直接、訴えかけようとするかのようだった。

カメラマンでもある方の監督作品らしく、
すべてのビジュアルが美しい。
そこに住む人々の生活を描いたシーンまでも。

全然知らなかったけど、北極星とはひとつの星ではなく、
地球の地軸に一番近い星が、北極星とされるらしい。
今から4000年前は、今とは違う星が、
地球のはるか北の頂点に輝いていたらしい。

星の話をすると、やはり時間の流れは、雄大になっていくなあ。

この村も、やはり過疎に悩む村ではあるのだが、
その中で、人々は、この神楽を次の世代に伝えていこうと、
村おこしまで、しながら、取り組んでいく。
どこかで、人間はDNAの乗り物で、DNAを残すために、
子孫を作って、伝えていく、という話を聞いたことがある。
人間中心でなく、DNA中心に見る視点が面白いと思った。
この地域の人にとっての神楽も、なんかそんな存在なのかもしれない。
「自分たちは、この神楽と、神楽が意味するものを伝えるために存在する。」
それは、それで大きな使命で、
生き甲斐にも繋がっていくものなのだろう。

その神楽は、12月の祭りで4日間かけて、最後は徹夜で、舞われるらしい。
ものすごい祭りやなあ。
観る前は記録映画かと思ってたんだが、
だとしたら、観るのにも4日間かけて徹夜で観ないとあかんとこやった。
印象的なシーンを選りすぐって編集しててもらって、ほんまに良かった(笑)

少し残念だったのは、星と信仰や生活との関係が、少々分かりづらかったこと。
土地の人の話が分かれば、もう少し、理解できたんだろうけど、
この辺りは、すごく方言のきつい地方、「フランス語に聞こえる」と
CMで話題になった西諸弁の小林市も近い。

銀鏡のおじいさん、おばあさんのお話は、わからないところが多くて、
その分、一番のテーマのところが、分かりにくくなっていた気がする。
その辺り、十分に理解した上で、もう一度観たい気のする映画だった。

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