知らなかったウクライナでのナチスのユダヤ人虐殺。映画「BABI YAR.（バビ・ヤール）」。

※予告編に虐殺されたご遺体の出てくる場面があります。ご注意ください。

第二次世界大戦中、ウクライナであったナチスによるユダヤ人虐殺という、
ワシの知らなかった歴史的事実を当時の映像のみで構成した映画
「BABI YAR.（バビ・ヤール）」。

BGMも、ナレーションでの説明もほぼなく、
当時の映像だけで映画は淡々と進む。
鳥の声が聞こえる一見のどかな風景の中に転がる兵士の遺体。

ユダヤ人かな？穴を掘る。
自分が埋められる穴なのだろうか。

ヒトラーのポスターが剥がされ、
かつて剥がされたスターリンのポスターが貼られる。
どちらの時も、それを熱狂で迎える市民。

射殺の渓谷から命がらがら逃げ延びた人の聴いてるだけでさぶいぼのでそうな裁判証言。
戦後、ドイツ軍兵士の公開絞首刑にフェス並の人が集まる。

戦争とは一体何のための行為なのだろう。
映画を観てると、誰かが作った兵器や、人や町を
ただただ破壊するだけの行為に見えて来る。

そして、ソ連軍、ドイツ軍、どちらが支配者として来ても、
結局虐げられてるようにも思えるウクライナの民衆。
彼らの民意は果たしてどこにあるのだろうか。
こんなことをして誰が得するのだろう、と不思議に思えて来る。

悲惨な状況を描いているのに、
どこか牧歌的で、詩的にも思える映像も不思議だった。
なぜだろう、2時間余り、退屈する瞬間は、一度たりともなかった。