佐藤泰志さん原作映画、第6段。映画「夜、鳥たちが啼く」。

※ややネタバレあります。

映画「海炭市叙景」を観てから、原作の佐藤泰志さんが好きになり、
本も読み漁り、映画化されたものは、ほぼ全部観ている。
なので、もちろん、今公開中で佐藤泰志さん原作の「夜、鳥たちが啼く」も観に行った。

佐藤さんの小説は、大体、自分が投影されている。
この主人公も、若くして文学賞を受賞して、
その後、創作に行き詰まり、苦しむ佐藤さんと同じ道筋を辿る。
それだけに予告編にもある
「なんで自分のこと書くの?」「終わらせたいから」
というやり取りが、胸に迫った。
最終的に自死を選んだ佐藤さんも、
「終わらせたい」という欲望に従ってしまったのか、と思い、
しばらく佐藤さんへの思いが心を占めて、映画に集中できなかった。

終盤の描き方、ゆるやかに、ハッピーな感じで、
それはそれでホッとするんだけど、
自分でも扱いきれない葛藤や、
どこからくるか分からない怒りや、
名前のつけようのない不安など、
ワシにも共通する部分のあるものに、
簡単に名前をつけられてしまったような気がして、
少し、物足りない気もした。

「海炭市叙景」「そこのみにて光輝く」「オーバー・フェンス」
「きみの鳥はうたえる」「草の響き」「夜、鳥たちが啼く」、
佐藤さん原作の映画は、全部監督も出演者も違ってるのに、
トーンは、ある程度統一されてる気がする。
そこが佐藤さんらしさなのかな?
一度、全作、続けて観てみたいと思った。


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