映画「草の響き」。

東出昌大は走る姿の似合う役者やな。
「寝ても覚めても」でも、走る姿が印象的だった。
今回はランニング初心者から始めるのだが、
本当に走るごとに、その姿が様になっていく。
それだけをとっても観ところだと思った。

映画「草の響き」を観てきた。

「海炭市叙景」で原作の佐藤泰志さんを知り、小説を読み耽った。
この映画も、佐藤さん原作で、
函館を舞台とした佐藤さん原作の映画は5本目になるらしい。

今回も表面上は、そんなに事件が起こるわけではない。
唯一起こる大きな事件も、
「事件だったのだ」と後から分かるくらいすごく静かに描かれている。
(ワシが鈍かっただけなのかもしれませんが)
だけど、セリフではなく、水面下で、役者の行動で、
心情の動いていく様子が、ありありと浮かんできて、
静かな、セリフの少ない映画だけど、退屈することがなかった。

原作への敬意を損なわず、それを拡大した上で、
映画という形に投影してみせた、
すごく文学的な映画だと思う。

夫婦二人と男友達との奇妙なトライアングル(三角関係ではありません)、
それと相似形をなす、主人公と不思議なつながりの高校生たち3人のトライアングル。
それが、少しずつ、ずれて捻れて、物語は、コトリコトリと動いていく。

最後の夫婦の会話、そしてそれぞれが見せる最後の表情が、素晴らしい。

静かなトーンは崩さず、
だけど、練りに練って、心情的には波乱に満ちた
この映画を作った脚本家、監督に
本当に感謝したい。

やはり佐藤泰志さん原作の映画に外れはない。
唯一観逃している「きみの鳥はうたえる」も、ちゃんと観てみようと思った。

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