橋本ヒネモスのBBBムービーvol.34「放送不可能」「せかいのおきく」「袴田巖 夢の間の世の中」。

「放送不可能」。

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なんとなく小泉さんが「原発反対」を言い出した時、
「なんか裏があるんちゃうか?」と思ってしまっていた。
この映画観て、それはないんやろな、とは思った。

けど、小泉さん、まあやはり自民党をどこかで信じてるんやろな。
自民党の党是が「STOP原発」になれば、それでいいと思ってはる気はする。
自民党の姿勢自体は批判しない。
そこに踏み込まないので、自民党からも
「何か言い出したよ」って苦笑まじりに思われてる気がする。

官僚に対する自民党の姿勢とか、それ故の忖度とか、
分かち難い問題やと思うんやけどなあ。

まあ、そこを置いておけば、原発に対して言ってることは
概ね筋が通ってると思う。

映画観てて思ったけど、あの大事故の後、
後始末もちゃんとできてないのに、
日本が原発を海外に輸出しようとしたという件、
諸外国からしたら、「なんの悪い冗談?」としか思なかったんちゃうやろか。

「王様の耳はロバの耳」って例えは、
うまく言えてそうに見えて、
結局話をややこしくしてる気がするので、
いらんと思いました。

「せかいのおきく」。

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小さい話がしたかったんやろなあ、と思った。
小さいながらに、キュンとくる話。
小さいながらに、大きな世界に繋がってる話。
うん、それは分かる。それは成功してると思う。
ほんまにほっこりするええ話。

役者もそれぞれええ演技してはる。
黒木華さんや、池松壮亮さん、佐藤浩市さん、石橋蓮司さんは、
ある意味、予想通りやったけど、
真木蔵人さんが、こんなええ役者やとは知らんかった。
寛一郎さんもええ味だしてた。

まあ「うんこ」の丹念な描写と、「うんこ」のギャグは、
やりすぎ感もあったけどね。

「袴田巖 夢の間の世の中」。

公式サイト

48年、単純に計算して、17,500回以上、
「今日は死刑が執行されるんではないか」という、
病気ではなく、人の判断で訪れる理不尽な死と向き合う。
そりゃ、気もおかしくなるなあ。
毎日をどんな気持ちで過ごしていたのか、想像すら、できない。

その袴田巌さんが、釈放されて、少しずつ、
人間性を取り戻してきてるように見える様は、
喜び、とは言えないし、幸せ、とも違うんだけど、
じわじわと、そして最終的には、圧倒的に心に迫ってくる。
安堵、が一番近いのかもしれないなあ。

本来の袴田さんが見えてくると、
そのキャラクターはとても可愛らしく思えた。

お姉さんと二人で暮らすその家は、
日当たり良くて、なんだかホッとする。
ワシ、テレビのドキュメンタリーでも袴田さんの家、
観てたこともあって、
今や、その間取り、書けるくらい詳しくなってしもた。
四部屋続きの南向きの間取りの、どことどこにベランダがあるのかも、わかってる。
不明なのは、トイレと風呂の位置くらいだ。

けど、お姉さんもパソコンの麻雀に熱中してるし、
袴田さん、将棋する時、すごい楽しそうやし、
ボクシング、純粋に好きそうやし、
この姉弟、ほんまに勝負事が好きなんやろな。
もしかして、48年、袴田さんは塀の中から、
お姉さんは塀の外から、頑張り続けられたのは、
その負けず嫌いな気持ちからかもしれんなあ、思った。

ボクシングの団体が袴田さんの無罪を信じて、
袴田さんの専用シートを後楽園ホールに設置してたのは知らんかった。
そこに腫れて釈放されて、招かれた時の袴田さんの表情や、
関係者の嬉しそうな顔は、
涙なしには観られなかった。

映画の冒頭、途中にも出てくる袴田さんの獄中日記からの言葉は、
どれも、すごく知的で、哀しさや、重さや、深さに満ちたフレーズで、
それ自体が「詩」だと思った。
学歴とか関係なく、元々、すごく知性のある人なんだろうと思う。

音楽がめちゃくちゃええなあ、と思ってたら、
谷川賢作さんが担当していらっしゃった。
さすがです!

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