スリラーより、ホラーより、怖い映画。BBBムービー「プーチンより愛を込めて」。
ワシは怖がりなので、ホラーやスリラーは、ほぼ観ないのだが、
それより怖い映画を観てしまったのかもしれん。
大統領就任時の前後を捉えたプーチンのドキュメンタリー映画。
当時からプーチンは、権力をある意味禅譲してくれたエリツィンすら、
自分の持ってるカードとしか見てなかったのではないか、と思う。
その頃から、今に至るまでの道筋を冷徹に見越して、
行動していたのかもしれない。
だとすると、今続いてる戦争も、ある程度想定内ということになる。
「プーチン、血迷ったか」という事態でないということは、
なかなか戦争が終わらない、ということになるのかもしれない。
本当に恐ろしいことを想像させる映画やなあ。
では、その先、プーチンがどこまで、何を見越しているのだろう、と考えてみた。
建前では、自国の利益しか考えないにしろ、ロシア国民の平和と幸福だろうけど、
その向こうにある、本当の目的は、ソ連の復活なんじゃないか、と思えて仕方なかった。
しかも、それは、ロシアに住む人々の幸せ、などではなく、
西側社会への反発が形を変えて「ロシア民族が史上、一番力を持った時代への回帰」、
みたいなものを求める、自分一人の欲求から来てるもののような気がした。
それが復活してしまうと、前回、崩壊した史実が参考としてあるだけに、
より強固なものになってしまうかもしれない。
いわゆる「ヤキ」が入ったような状態。
ワシはソ連的社会主義を否定するわけではない、と言うか、
否定できるほど、詳しく知らないのだが、
個人の平和や幸せを求める気持ちが抑圧される社会が復活するのは、
絶対に避けて欲しい、とは思う。
後から思い返すと、一番怖いシーンは、
かつての恩師を訪ねていくところかも。
立派になった教え子を、
ただただ喜んで迎える恩師と、
その恩師すら、手持ちのカードとして、
「いい人アピール」に使う、
全然目の笑ってないプーチン。
ああ、怖かった!