親も、民族も違っても、家族。BBBムービー「キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩」。
子どもたちの歌が素晴らしすぎた。
美しくも、哀しいこの歌が、映画全体を背骨のように貫いている。
映画観た後、この曲をもっと知りたくなって、
音源を探してしまった。
この少年たちの歌も素晴らしいけど、
映画の中の歌声は、さらに美しく哀しく思えるのは、
この映画の記憶と不可分に頭に植え付けられたからなのか。

ドイツ、ソ連と、大国に、まるでモノの取り合いのように、
蹂躙され続けるウクライナ。
そして、そこに生きる民族は違っても愛と歌で繋がった三人の女性。
親も、民族も違っていても、この三人は間違いなく家族なのだろう。
最後のシーン、ドラマだと分かっていても、
心から「良かった」と思えた。
親や、妹や祖国、彼女たちの失ったものを考えると、
単純には喜べないのだが。
こういう映画を観ると、本当に「国」そのものの存在意義を
疑わずにはいられなくなる。
一人一人が自由に、自分の幸せを追求することを阻害する、
いかなる権力も、ワシは認めたくない、と思う。
この映画が、ロシアのウクライナ侵攻前の2021年に創られてるってのも、
ちょっと驚きやな。
まるで、何かを予告してるような映画であった。
今も、ウクライナは大国に、その運命を揺すぶられて、
多くの家族が、この映画と同じような苦しみを味わっているのだろう。
邦題に「絆」って言葉が入ってるのは、ちょっと嫌だけどね。