この世の中が生きにくい人の道標足らんとする映画か。BBBムービー「みちくさ〜天国に一番遠い場所〜」。
今の世の中、ありがちなテーマと、結論かもしれんけど、
それに真正面から、逃げずに、ガップリと取り組んでるのが清々しいなあ、と思った。
この世の中、生きにくい人はたくさんいる。
けど、少し視点を変えたり、環境を変えると、
今まで自分を縛ってるように思ってた鎖って、
自分で自分に巻いたものかもしれない、と思えたりもする。
そうやって、自分を肯定することができれば、
人にも優しくなれるものなのかもしれない。
この映画は「逃げよう」と言ってるのではなくて、
「少し何かを変えてみよう」と言ってるのだとワシは思った。
誰もが、この映画のように、環境を変えてしまえるわけではない。
けど、ここまで変えなくても、
少し何か環境なり、考え方を変えることで、
今まで敵だと思ってたものが、
そうじゃなかったんだ、と気づけるのかもしれない。
何より、自分自身を敵だと思って生きるのは、本当に辛い。
せめて、自分で自分を肯定してあげれる場所を探したいよな。
けど、それで全部が解決するわけではなく、
トラウマは残る。
それも、この映画は、きちんと描いてるように思えた。
そういうトラウマとは、一生の付き合いになるのだろう。
じゃあ、トラウマを消すのではなく、
抱えたまま、付き合っていく術を考えるしかないじゃないか。
そんなことを映画が語っているように感じた。
なんで最初に主人公の女の子をバーに誘ったの?とか、
スマホに出てたSNSの文字が老眼で読めず、
ショックを受けるシーンがよくわからなかったり、
「ちょっと理屈が先行しすぎかも」と思ったりすることもあったけど、
概ね、気持ちよく共感できて、
観た後、清々しい思いになれる映画であった。
この年になると、
「困難があるから生きるって、面白いんよな」と思ったりもするけど、
それを、若い人に言っても仕方ないもんなあ。
いつか、彼らが、そのトラウマも含めて、
そう思えますように。
とフィクションなのに、観終わった後、願っていた。