いつになったら、何人も思想で取り締まられることのない世界がやってくるのだろう。BBBムービー「わが青春つきるともー伊藤千代子の生涯」。
次々に転向していく男性、貫き通す女性。
一概には言えないけど、こういう傾向って、
男性には、転向しても、活躍できる場所はあるけど、
(現に、中には、すごい財界人になった人もいる)、
女性には、逃げ場がなかった、という当時の社会状況もあるのかな?
名前くらいしか知らなかった人の伝記映画なので、
いろいろ初めて知ったことがあって、
そういう意味では勉強になった。
けど、出演してる人の演技が、
なんだか、全部が大袈裟で芝居がかってるな〜〜、
暑苦しいなあ、と思ってしまった。
って、まあ芝居なんやけどね。
実在の人物の伝記で実話なので、仕方ないんだろうけど、
すべてが「こうなるやろな」って方向に進んでしまって、
ストーリーとしては、多少物足りない気がしないでもなかった。
けど、「思想」だけで取り締まられる恐ろしさ、理不尽さは、
背筋が寒くなるほど感じた。
あんな怖い石丸謙二郎さん、
初めて観たなあ。
彼女が、その思想ゆえに、夫から離れて、拷問に遭いながら、
命をかけてでも貫いたイデオロギーが、
今、逆に、人を思想で取り締まってるという皮肉な現実が辛いなあ。
人は、いつになったら、思想で、その人を罰したりしない世の中を
実現できるんだろうか。
権力とは、どうしても、自分と違う思想を
取り締まってしまうものなのだろうか。
だとしたら、権力ではなく、
人間を統治する別の方法が必要なのだろうか。
そんなものが、この世に存在するのだろうか。